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北朝鮮、最高人民会議開催、李善権・李炳哲氏が国務委員入り

北朝鮮、最高人民会議開催、李善権・李炳哲氏が国務委員入り

Posted April. 14, 2020 08:41,   

Updated April. 14, 2020 08:41

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北朝鮮が12日、国会に当たる最高人民会議を開き、軍部出身で強硬派の李善権(リ・ソングォン)外相に代表される新しい外交体制の発足を伝えた。米朝交渉が行き詰まり、北朝鮮が「正面突破戦」を強調する中、人的交代を通じて新たな対米戦略に出るか注目される。

 

朝鮮中央通信は13日、第14期第3回最高人民会議が12日に万寿台(マンスデ)議事堂で開かれたとし、同会議で李氏と朝鮮労働党副委員長で国際担当の金衡俊(キム・ヒョンジュン)氏が国務委員会の委員に選出されたと明らかにした。内閣と党の外交戦略を率いる2人の要人の選出により、公式に「李善権・金衡俊」体制が発足した。さらに同通信によると、国際担当副委員長だった李洙ヨン(リ・スヨン)氏や李容浩(リ・ヨンホ)前外相が国務委員を解任された。

 

北朝鮮が近く本格的に米朝交渉に出るという期待は大きくない。しかし、外交官の経験はないが行動力が評価される李氏が北朝鮮外交の顔に浮上したことで、形勢を覆そうとする可能性もある。金炯錫(キム・ヒョンソク)前統一部次官は、「金正恩(キム・ジョンウン)党委員長が自分の思いどおりに対米交渉を陣頭指揮するために猪突的な李氏を登用した」と指摘した。北朝鮮は先月30日、外務省「対米交渉局」という初めて公開された組織の名義で米国を非難する談話を発表し、米国との交渉を内部で準備しているジェスチャーをとった。

昨年のハノイ会談の前後、「金正恩の口」とされた崔善姫(チェ・ソンヒ)第1外務次官が主席団に座っている姿も確認された。最近、崔氏の談話が出ていないが、対米交渉ムードの変化によってはいつでも出てくるという観測も流れている。さらに同会議で、金正恩体制になって核兵器開発を指揮した核心人物とされる党副委員長で軍需担当の李炳哲(リ・ビョンチョル)氏も国務委員に選出された。

 

また、同会議では予算案の公開を通じて「正面突破戦」が強調された。今年の総予算の47.8%を経済建設に投じるとし、「人民経済の自立的土台を一層強化し、正面突破戦を財政的に担保できるよう国家予算の収入と支出を編成した」と明らかにした。これに先立ち、政治局会議で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対して、「闘争と前進にも一定の障害をなり得る」と指摘した北朝鮮は同日、今年の保険部門投資を昨年より7.4%増やしたと明らかにした。その一方で、内閣は会議の報告で、「(北朝鮮で)まだ1人の感染者も発生していない」と明らかにした。

北朝鮮の相次ぐ「コロナ危機感」の表明について、呂尚基(ヨ・サンギ)統一部報道官は13日、「北朝鮮も新型コロナウイルスによって経済的困難を経験している多くの国々のように困難に直面しているとことは事実のようだ」とし、「北朝鮮との人道的協力、保健協力が基本的に必要だ」との考えを示した。

昨年の最高人民会議に登場して施政演説を行い、「ハノイ決裂」後の北朝鮮の行動を予告した正恩氏は今回の会議には出席しなかった。会議では対南、対米メッセージもなかった。統一研究院北朝鮮研究室のホン・ミン室長は、「新型コロナウイルスなどによる北朝鮮の厳しい経済状況、まだ米大統領選の不確実性が大きな状況で、体制を整えて管理することに会議の焦点が合わされた」とし、「例年に比べて人的交代と政策基調の変化の幅も制限的だった」と分析した。


韓基渽 record@donga.com · 申나리 journari@donga.com