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現実味帯びる「トランプ・シーズン2」、世界はすでに揺れている

現実味帯びる「トランプ・シーズン2」、世界はすでに揺れている

Posted January. 18, 2024 08:06,   

Updated January. 18, 2024 08:06

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トランプ前米大統領が15日、大統領選挙に向けた野党・共和党の候補者選びの初戦であるアイオワ州の党員集会で、得票率51%で圧倒的1位を獲得した。2位のデサンティス・フロリダ州知事と30ポイント近い差をつけた圧勝だった。これまで世論調査で独走体制を構築した「トランプ大勢論」が、最初の予備選圧勝で揺るぎないことが確認された。トランプ氏は、「今こそ、誰もが、団結する時だ。共和党と民主党も団結しなければならない」と「団結」を強調し、11月の大統領選勝利の自信をうかがわせた。

まだ共和党予備選の始まりにすぎず、大統領選まで10ヵ月も残っているため、「トランプ2期」を断定するのは早い。それでも、トランプ氏が党員ではなく一般有権者まで参加するニューハンプシャー予備選まで勝利すれば、共和党候補として早期確定される可能性が高い。すでにトランプ氏は、様々な世論調査でバイデン大統領を上回っている。トランプ氏の支持勢力も、白人・低学歴・低所得層を超え、外縁を大きく広げているという分析も出ている。今や「トランプ・シーズン2」は可能性の次元を超え、常数になっていくムードだ。

世界各国はすでに「米国第一主義」を掲げた孤立主義米国の再登場に備え、外交政策の方向と速度を調整するなど、微妙に動いている。ロシアは、すでにウクライナ戦争で長期持久戦態勢に入り、トランプ氏の復帰以降に戦争終結を延期した状態だ。北朝鮮が公然と戦争をちらつかせて対南挑発のレベルを高めているのも、米朝直接取引への期待と無関係ではないだろう。米国の同盟国の中でも、一部の国がウクライナへの軍事支援に反対する一方、多くの国も自国の防衛を最優先し、「世界の警察」米国の撤退後に備えている。

韓国もトランプ2期がもたらす不確実性に備えなければならない。利益と取引に基づくトランプ氏の対外政策は、過去、韓半島情勢を極端な対決から劇的な対話に、そして再び緊張に追い込んだ。トランプ氏は、「より強く、より強烈なシーズン2」を予告している。北朝鮮の核凍結と引き換えに制裁を緩和する取引をしたり、在韓米軍の撤退を持ち出し、防衛費分担金の増額を要求したりする可能性がある。独自の防衛力拡充を通じた自強の努力とともに、韓米一体型「核の傘」の制度化を急がなければならない。また、外交の幅を大きく広げ、激化する米中覇権争いに対処する緩衝の基盤も作る必要がある。