Go to contents

新しい首相と秘書室長は民生・行政に詳しく、「直言」できる人物でなければ

新しい首相と秘書室長は民生・行政に詳しく、「直言」できる人物でなければ

Posted April. 15, 2024 08:48,   

Updated April. 15, 2024 08:48

한국어

尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は、4月10日の韓国総選挙の結果に伴う国政刷新の観点から、新しい首相と大統領秘書室長の人選を苦慮している。当初、新秘書室長の人選が14日に発表されるとの見方が多かったが、大統領室は「時間が必要」と慎重な態度を見せた。ただ、内部的には、新秘書室長に元喜龍(ウォン・ヒリョン)元国土交通部長官、新首相には与党「国民の力」の権寧世(クォン・ヨンセ)議員を検討し、世論の反応を注視しているという。

新首相と秘書室長に政治家出身の「政務型」人選を優先的に検討することは、総選挙の敗北が招いた政治的危機の状況で一つの自然な選択かもしれない。しかし、そのような政務型人選の実質的な内容が、総選挙直後に尹大統領が明らかにした「国政刷新と経済・民生の安定」の決意にふさわしいかは疑問だ。

現在、首相と秘書室長候補に名前が挙がっている人物の多くは、尹大統領の側近グループとされる人々だ。これまで現政権人事の最大の問題点として指摘された、大統領が「よく知る人、一緒に働いたことのある人」の範疇から抜け出せない。特に元氏は、今回の総選挙で最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表と小選挙区で対決した。大統領と野党代表の会談を調整する役割に適任かどうか疑問が残る。特に元氏と権氏の場合、大統領と同じ大学を出た検事出身という共通点もある。これでは野党から、「まだ気がついていない」という反応が出るのは当然だ。

国民は、総選挙で大統領の傲慢と「不通」を審判した。何よりも大統領のリーダーシップの変化の意志を示す試金石は、首相の人選だろう。国会の過半数の同意が必要で、巨大野党を相手にできる国民統合の首相、実質的な権限を持つ責任首相が必要だ。大統領に諫言を惜しまない剛直さ、さらに野党まで説得できる経験を備えていなければならない。大統領を最も近くで補佐する秘書室長も同様だ。民心を包み隠さず伝えるとともに、大統領に不足している政策のディテールを緻密に把握し、経済と行政に精通した有能な助力者でなければならない。

そのような人物を探すには、大統領の周辺、さらには与党内部の狭い垣根を果敢に脱却する認識の転換が急務だ。多くの人物が少数派政府への参加を固辞する可能性もある。三顧の礼が足りなければ、十顧の礼を尽くして迎える必要がある。首相に実質的な権限を約束し、秘書室長にも直言を強く要請すれば、断っていた人も応じるだろう。今回の総選挙の結果は、尹政権最大の危機をもたらした。政府の危機はすなわち国政の危機、国家の危機だ。能力と人格、決断力まである人物で、どんな危機にも備えていることを国民に見せなければならない。