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「休診カード」を撤回する医師たち、対話の火種を生かすのは政府責任だ

「休診カード」を撤回する医師たち、対話の火種を生かすのは政府責任だ

Posted June. 26, 2024 08:31,   

Updated June. 26, 2024 08:31

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ソウル大学医学部の教授らが休診を中断し、大韓医師協会が無期限休診を撤回したのに続き、ビッグ5病院を研修病院にしている他の医学部教授らも、休診を止めている。無期限休診は、歪んだ医学部増員政策を正すこともできず、患者の被害のみ拡大しているという判断からだ。カトリック医学部の教授らは昨日、総会を開き、無期限の休診を猶予することにした。明日から無期限休診を予告していた延世(ヨンセ)大学医学部の教授らも、今日、休診撤回の可否を明らかにする予定だ。

主要大学病院の医師らの休診撤回で、患者らは一安心することになったが、医学部の増員発表後、4ヵ月以上続いてきた医療危機は悪化の一途をたどっている。病院から離れた専攻医9600人のうち、これまで復帰した割合は8%にも満たない。研修病院は赤字が積もって閉鎖され、残っている医療スタッフの疲労度は高まっており、研究も中断されている。このまま行けば、専門医や公衆保健医、軍医官の輩出にも支障が生じる。学校を離れた医学部生が復帰しなければ、来年から予科1年生3000人と新入生4500人が一度に授業を受ける初の事態が、少なくとも6年間続くことになる。医師養成基盤そのものが揺らぎ、不良医師を量産する可能性が高い。

医療界が休診撤回で一歩退いただけに、政府も事態の収拾のための前向きな措置を出さなければならない。医療大乱の解決の鍵を握っている専攻医から、病院に呼び込むことが急務だ。復帰した専攻医だけでなく、未復帰者に対する免許停止などの行政処分を撤回してこそ、内心復帰を希望する専攻医が「裏切り者」の烙印に対する負担なしに帰ってくることができるだろう。辞職を選ぶ専攻医も早く病院に戻れるよう、復帰関連基準も緩和する必要がある。専攻医が戻ってきてこそ、彼らと一体のように動く医学部生も復帰する可能性が高くなる。

来年度の入試からは、きちんと手続きを踏んで医学部の定員を調整するという立場も明確に表明する必要がある。医学部の増員は必須及び地方医療再生の手段であるにもかかわらず、妥協不可能な政策目標になり、事態がこじれ始めた。患者団体も、「政府は2000人という数字だけに埋もれた。医療界の批判と懸念は妥当な部分がある」と明らかにした。政府が今からでも、医師需給推計専門委員会を構成することにしただけに、医師も積極的に参加して合理的な医学部増員および医師養成政策が出るよう専門職の責任を全うしてほしい。