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韓米連合軍司令部が平沢米軍基地へ移転、有事の連合防衛態勢に支障はないのか

韓米連合軍司令部が平沢米軍基地へ移転、有事の連合防衛態勢に支障はないのか

Posted June. 04, 2019 09:25,   

Updated June. 04, 2019 09:25

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韓国と米国が3日、国防長官会談で、韓米連合司令部を平沢(ピョンテク)の米軍基地(キャンプ・ハンフリーズ)に移転することで合意した。戦時作戦統制権(戦作権)の返還後、有事に韓米両国軍の共同指揮部になる未来連合司令部も、平沢米軍基地に置くことを決めた。韓米は当初、未来連合司令部本部をソウル龍山(ヨンサン)国防部内に置くよう了解覚書(MOU)を締結した。しかし、一年で突然にこれを覆したのだ。

ロバート・エイブラムス在韓米軍司令官は昨年11月に赴任すると、在韓米軍の分散勤務による非効率性などを理由に平沢移転を主張した。エイブラムス氏の主張はトランプ米大統領の裁可を受けているという。国防部は、「このような措置が連合司令部の作戦効率性と連合防衛態勢を向上するということで共感した」と説明した。しかし、戦作権返還という安保システムの根本的な変化もあり、電撃的に修正された韓米連合軍司令部と未来連合司令部の駐留場所の変更は、有事の連合防衛態勢に対する懸念を抱かせる。

韓米連合軍司令部を平沢米軍基地に移転し、戦時作戦権を行使する連合司令部である未来連合司令部も米軍基地に置くことにしたことは、他国の指揮を受けたことのない米軍が戦作権返還後の指揮体系の不都合を間接的に示したのではないかという見方もある。韓米国防長官は3日、韓国軍大将が務める未来連合司令官を合同参謀議長と別途に任命することで合意したが、これも有事の指揮体系の効率性に問題となる可能性がある。

韓米軍事同盟の心臓部の平沢移転が持つ象徴的な意味も大きいが、ソウルには国防部・合同参謀、平沢には韓米連合軍司令部と二元化され、韓米の国防力が分散するという懸念もある。一秒を争う韓半島有事の状況で、物理的な距離によって韓米間の効率的な指揮および意思疎通が支障を来たすか恐れもある。韓米連合防衛態勢に少しでも影響を及ぼさないよう徹底した備えが必要だ。

米朝間の非核化交渉が膠着した状況で、先月には北朝鮮が短距離ミサイルを発射するなど、北朝鮮の核とミサイルは現存する危険だ。米トランプ政権の米国第一主義の流れの中、在韓米軍駐留経費負担の圧力も依然としてある。このような状況で、戦作権返還の準備過程で韓米同盟の弛緩や連合防衛態勢の弱体化の信号と解釈されることがないよう、両国の協力をさらに緊密にしなければならない。