北朝鮮が23日午後6時30分頃、咸鏡南道新浦(ハムギョンナムド・シンポ)の東海(トンヘ・日本海)で、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)1発を撃った。このミサイルは、30キロ飛翔し、韓国軍のレーダーから消えた。実験発射を現地指導した金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は、「もはや南朝鮮と米帝の後頭部にいつでも決心すれば、敵を打ち滅ぼすことができるようになった」と述べた。韓国軍は、北朝鮮ミサイルの飛行距離がSLBMの最小射程距離である300キロに達しない点を強調しながらも、北朝鮮が予想より早くSLBMを実戦配備できると憂慮した。
北朝鮮は、「すべての技術的指標が、主体的な水中攻撃作戦の実現に向けた要求条件を十分に満たした」とし、大成功を主張した。北朝鮮は、SLBMを水中で発射する「コールドランチ」技術を確保したとみられる。失敗に終わった昨年12月初めの飛行実験に比べて、相当な技術進展を遂げたのだ。米政府関係者も、CNNとの匿名インタビューで、「北朝鮮のSLBM能力が単なる冗談の類から非常に深刻なものに発展した」と憂慮した。
来月7日の労働党大会を控え、5度目の核実験が差し迫った状況で北朝鮮がSLBMを撃ったことに警戒心を持たなければならない。韓米が合同監視戦力を総動員して咸鏡北道豊渓里(ハムギョンプクト・プンゲリ)の核実験場の動向を監視する隙をついたのだ。北朝鮮がSLBM開発に成功すれば、韓国の後方にひそかに侵入した潜水艦の核奇襲攻撃が可能になる。韓米が高高度防衛ミサイル(THAAD)を導入してもSLBMには傍観するしかない状況だ。核潜水艦を導入し、北朝鮮のSLBMを先制打撃できる力を備えなければならない。
この2年間、北朝鮮はソウルと首都圏を射程圏に置いた新型122ミリ放射砲約300問を最前方に増強配備した。在来式兵器だが、適切な防衛手段がなく脅威的だ。国際社会の制裁で北朝鮮の核放棄を引き出すことができなければ、最後には軍事的決断が避けられない状況が到来するかも知れない。政府と軍は、ますます高度化する北朝鮮の核の脅威を根本的に終息させる戦略的手段を早急に確保しなければならない。北朝鮮の李洙墉(リ・スヨン)外相が国連演説で紹介した「最後に私たちが笑うだろう」という金第1書記の発言が妄想であることを分からせるには、北朝鮮を圧倒する自衛力を備えるほかない。
한기흥기자 ハン・ギフン記者 eligius@donga.com