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[社説]太永浩公使が断ち切った「奴隷の鎖」

[社説]太永浩公使が断ち切った「奴隷の鎖」

Posted December. 21, 2016 08:19,   

Updated December. 21, 2016 08:22

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カタールで外貨獲得に駆り出されている北朝鮮の建設労働者約2600人が、最高気温が50度に上る息も詰まりそうな猛暑の中、一日に14時間も働く現場を、東亜(トンア)日報が昨日から報じている。彼らは、契約書上では月給900ドル(約107万ウォン)を受け取ることになっているが、手にするのはわずか150〜200ドルだ。食費を差し引いているのに、食事があまりにも粗末なので、飲食店のごみ箱をあさりながら、ひもじさをしのぐほどだ。下水道すら整っていないコンテナのプレハブで暮らしている彼らは、足かせのみない「現代版奴隷労働者」だ。

北朝鮮の海外労働者らは、金正恩(キム・ジョンウン)への忠誠資金を貢ぐため、酒類の販売が制限されているカタールで、秘密工場まで作って密造酒を作り、外国人労働者ら向けに販売している。今年5月から、カタールが新規ビザの発給を中止したことで金の工面が難しくなり、密造酒の製造や販売に熱を上げているという。金正恩体制の存続のためなら、居住国の法秩序まで無視する彼らに顔が熱くなる。

太永浩(テ・ヨンホ)元英駐在北朝鮮大使館公使が、国会情報委員長や与野党の幹事らに打ち明けた北朝鮮の内部も、奴隷社会に他ならない。家ごとに盗聴装置を設置した特定マンションに住ませている高位軍幹部や保衛省幹部などは、「ガラス張りの監獄」に住んでいるのと同様だ。昨年5月に銃殺された玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)元人民武力部長は、自宅で口にしてはならないことを口にし、それが盗聴されたのが直接原因だと、太元公使は伝えた。

北朝鮮の住民は、夜中に密かに韓国ドラマを見ながら、あこがれを募らせ、小さな市場を通じて、資本主義的基礎生活を営んでいるとも話した。太元公使が亡命する際、二人の息子に対し、「この瞬間から君たちの奴隷の鎖を切ってあげる」と語ったことは、我々の胸に響くものがある。

19日(現地時間)、国連総会で最終採択された北朝鮮人権決議案は、北朝鮮の海外労働者らの人権侵害を懸念すると初めて適示し、金正恩の責任も明示した。北朝鮮の住民につけられている奴隷の鎖を断ち切るために、金正恩を圧迫し、北朝鮮に自由世界の実状を知らせる努力を止めではならない。