「私たち、星の歌を歌ってみましょうか」
4日夜、KBS2のドラマ「夏の香り」の撮影場である全羅北道鄹裕山(チョルラブクド・トギュサン)の裾野にある「茂朱(ムジュ)リゾート」。初夏の夜空には爽やかな星が輝いている。「秋の童話」「冬の恋歌」に継ぐ季節シリーズ「夏の香り」を制作する未婚のユン・ソクホPDは、この日、46番目の誕生日を迎えたにもかからわず、まだ少年のように美しい「初恋」を夢見ていた。
「僕はまだ、初雪に息詰まる『運命的な愛』を信じています。頭や目より先に心臓がドキドキするそんな恋です」
ユンPDの「秋の童話」「冬の恋歌」は、四季がはっきりしている韓国の自然を背景にした美しい映像美で、国内と東南アジアの視聴者を魅了させたドラマ。来月7日からは月火ミニシリーズ20部作の「夏の香り」(チェ・ホヨン劇本)が放送される。
「秋の童話」「冬の恋歌」が出生の秘密と記憶喪失症による胸の痛む愛を描いたのに対し、「夏の香り」は心臓を通じて愛を覚えている「ファンタジー的設定」が目立つ。交通事故で死んだ女性の心臓を移植してもらったヘウォン(ソン・イェジン扮)が、その心臓の持ち主が愛した男、ミヌ(ソン・スンホン扮)に偶然に会うことから、ドラマは始まる。
ミヌを見てドキドキするのは、ヘウォンの体の中で昔の恋を覚えたまま生きている心臓。ヘウォンは、自分を愛するリゾート企画室長ジョンジェ(リュ・ジン扮)と、心臓が覚えている恋ミヌの間で、真の愛を求めて迷う。
「秋の童話」がブラウン、「冬の恋歌」がホワイトだとすると、「夏の香り」のカラーはグリーンだ。メイン舞台である茂朱リゾートを含めて、主な撮影場所は寶城(ポソン)の緑茶畑、ハブ農場、樹木院、高興(コフン)半島、西海岸の島など、夏の熱い熱情が少しおさまったような「静かな緑陰」を描く。
ドラマの主なモチーブとして「天気雨」がよく登場する。これは日ざしが照り注ぐ夏空に急に降りだす雨のこと。韓国では「虎が結婚する日」または「狐の嫁入りの日」に降る雨という。
「映像で見ても、水玉に太陽が映るから一番美しい瞬間の雨です。僕たちの青春も、短い恋も、みんなきらめいて美しい『天気雨』に似ています」
ユンPDは、主人公のソン・スンホン、ソン・イェジンをキャスティングした理由を「まなざしが善良に見えて」と短く答えた。とくに、ソン・スンホンは「秋の童話」に続いて2回目のキャスティングになった。これは中華圏での「秋の童話」の人気を意識したキャスティング。
この日、「夏の香り」の初撮影には、韓国観光公社の関係者をはじめ、中華圏への版権契約を終えた台湾アルファレコード社の社長、台湾の各マスコミ記者らが駆けつけた。「秋の童話」の平昌(ピョンチャン)、「冬の童話」の束草(ソクチョ)のように、「夏の香り」の撮影地も観光スポットになるはずだという全北地域関係者の期待も大きかった。
田承勳 raphy@donga.com