先月28日、ソウル西大門区峴底洞(ソデムング・ヒョンジョドン)にある独立公園内の独立館。
独立館は日本帝国による強制占領期に独立運動をして貴い命を捧げた殉国烈士2327名の位牌が供えられている所だ。
しかし、記者の見た独立館は、国のために命を捧げた英霊たちを祭る記念施設とは到底信じられないところだった。
引き裂かれた門に変色した看板、ほこりの積もった位牌…。
韓国の伝統的建物の内部に入ると、あちこちを縫い合わせボロボロになった祭壇の布の切れが目に入った。
中央の合同位牌は塗りが剥がれていて、文字さえまともに読めなかった。位牌を手で触ってみると、汚いほこりの塊がついた。
周辺の排水口には吸い殻が散らばっており、軒下の片方の欄干は全部崩れていた。
管理を請け負っている殉国烈士遺族会のチョ・セヒョン副会長は、「暖かくなると市民らがござやむしろを敷いてお酒を飲むのは日常茶飯事で、敷居はホームレスらの枕に変わる。まるでごった返している市場のようだ」と語った。
独立館は独立協会の事務室などとして使われ、日帝によって強制撤去された後、1996年、全国で唯一の殉国烈士位牌室に新しく改装された。しかしその後、管理がまともになされないでいるのだ。
それに広報もまともにできておらず、年間訪問者数は遺族会員と団体、学生たちを含めて2000〜3000人に過ぎない。
国家主導で徹底的管理が成り立っており、年間800万人の参拜客が訪れる日本の靖国神社とは克明な対照を成す。
これは独立館が改築されてから管理を請け負うことになった遺族会の人手が足りないうえ、責任機関であるソウル市がこのような事情が知っていながらも、電気料金など最小限の管理費さえ支援していないためだ。
遺族会はこの2、3年間、ソウル市に前庭を囲むフェンスの設置と案内要員配置などの支援を求めてきたが、予算不足を理由にいつも黙殺されてきた。
ソウル市公園緑地管理事業所の関係者は、「小さな文化財一つのために公共施設にフェンスを設置するのは、かえって公園の美観を阻害することだ。公園に使われる予算で支援をして欲しいという要請は受け入れがたい」と述べた。
兪載東 jarrett@donga.com