李承鎏(イ・スンヨブ、28、千葉ロッテマリンズ)の携帯電話はこのごろ「オフ状態」だ。李承鎏とかけがえのない親友の斗山(トゥサン)投手朴ミョンファンは、「連絡がほとんどつかない。たまに電話がかかってきたときだけ、やっと安否が伝えられる」と話した。
父親の李チュングァンさんは、「息子と通話してから1ヵ月が過ぎた。先月17日が最後だった。承鎏も電話しないし、私も負担になるか心配してわざと電話しない」と話した。
最近、日本内での代理人だった金基柱(キム・ギジュ)氏との関係も切った。金氏が放送関係の仕事で自分の面倒をきめ細かくみてくれない上、日本進出の時、仕事の進め方がスムーズでなかったため決別した。
現在、李承鎏の周りにいるのは夫人の李ソンジョンさんといつも付き添っている通訳の李ドンフンさんぐらい。他の人とは連絡を断った。野球する上で邪魔になるからだという。
父親の李さんは、「承鎏は『頑張れ』、『元気を出せ』という励ましの電話さえ負担に思っていると聞いた。今は放っておくことが一番気楽にさせる方法だ」と話した。
李承鎏は礼儀正しくて周りの人に嫌味が言えない模範生だと言われているが、野球に対する自尊心だけはどの選手よりも強い。内気だが一度心を鬼にすると、根性を発揮するタイプだ。
ところで、2軍から復帰した後も、相手の先発が左腕だと主戦のラインアップから外される上、「お前が望めば韓国へ帰っても良い」という監督の衝撃的な言葉まで日本のマスコミに紹介された。墜落した成績のためオールスターにも脱落が確実視されている状況だ。
李承鎏にはこれ以上の恥はない。「切歯腐心」。歯を食い縛っている彼は、「独り立ち」を通じて真なるファイターに生まれ変わることができるだろうか。
金相洙 ssoo@donga.com