北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の長男、正男(ジョンナム)氏(33)が最近、オーストリア訪問中に暗殺の危機に遭ったが、オーストリア情報機関の保護で危機を免れたと連合ニュースが19日、北朝鮮消息筋の話として報じた。
同筋は「正男氏は先月中旬、暗殺という危機的な状況に置かれたが、オーストリア情報機関がこれを事前につかみ、密着警護をしたと聞いている」とし、「暗殺企画は北朝鮮内部の反金正男勢力によるものとみられる」と話したと、連合ニュースは伝えた。
またオーストリア内務省の反テロ局は正男氏に対する暗殺企画情報をつかみ、当地の金光燮(キム・グァンソプ)北朝鮮大使を呼んで、暗殺企画を止めなければならないというオーストリア政府の意見を強く伝達したという。
連合ニュースは、金大使が同事実を本国に報告したとしたと報じた上で、「今回の事件は、金総書記と故・高英姫(コ・ヨンヒ)氏の間で生まれた正哲(ジョンチョル)、ジョンウン(20)氏の周辺が正男氏の権力継承を憂慮して計画したもの」と分析した。正男氏は、金総書記と故・成恵琳(ソン・ヘリム)氏の間に生まれた。
これに対して韓国政府の当局者は「米国との交渉でテロ支援国解除を強く要求している北朝鮮が、人権先進国であるオーストリアで暗殺を図ったというのは、説得力が弱い」と述べた。
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