小学校5年生が趣味を「お金をためること」と書いた。列車旅行をすれば、通過する駅を15ぐらいは記憶する。試験の答案用紙は10分程度で提出するけれど、いつも100点満点だ。学校の勉強はあまりせず、百科事典を好んで読む子供。中学1年生の時、金を稼ぐために新聞配達をし、40kmを自転車で通学した。その学校は、孫正義氏も通った福岡の久留米中学校だ。
◆日本のフジテレビの掌握劇で世間を騒がせた堀江貴文(32)社長の話だ。中・高校時代、勉強とは縁を切り、東京大学に行くと言った時、担任も友達も笑った。半年の努力の末、東京大学文学部に入った。そして、また勉強をやめて、「タダ」の旅行だけをした。学生証さえ取り出せば、どこでもタダで乗せてくれた。遂に中退。「東京大学は入っただけで十分だった。卒業までするには時間があまりにも惜しかった」という理由だった。
◆コンピューターにはまり、3年前にライブドアというインターネット・ポータルを買収した。今はオンライン証券会社など31の会社を従え、年間300億円の売上げをあげるインターネットグループの総帥だ。ネクタイは締めない。Tシャツに上着だけで駆けつけ、携帯電話で電話をする姿が見慣れたイメージだ。会社には社長室がない。窓際の職員席の隣に机をおいて働く。
◆言葉も荒っぽい。「世の中には金で買えない物はない」、「メディアは結局インターネットにすべて集まるので、新聞放送はどうやって無くすかが問題だ」。堀江氏は、フジテレビの経営権を狙った買収攻防で「半分の勝利」をおさめ、和解した。フジテレビが孫氏まで立てて防御に出るや、結局、敵との戦略的提携を選んだ。インターネットと放送の融合も、共同推進することにした。世評は2つに分かれた。異端という非難と情報技術(IT)時代の先駆者という賛辞。老年層は顔をしかめ、若年層は手を打つ。明らかなことは、堀江氏が日本の新しい人間型だという点だ。高齢日本に登場した「ターミネーター」とでも言えようか。
金忠植(キム・チュンシク)論説委員skim@donga.com