純血主義が根深い韓国で、混血は「捨てられた人」扱いされる。グローバル時代という昨今でも大きく変わらない。混血という理由だけで、蔑視と差別をうけることが日常だ。恵まれない児童のための非政府機構(NGO)であるパール・バック財団韓国支部のホームページ(www.pearlsbuck.or.kr)には、今も混血児をもつ母親の叫びが続いている。「子供と一緒に楽しく遊んでいるときでも、韓国社会の偏見のために子供を失いそうで怖い…」。
◆近いところでは、韓国の混血児問題は韓国戦争とともに始まった。米軍が駐留して生まれた「歴史の傷」である。1990年代以降、韓国のいわゆる3D産業に東南アジアの労働者たちが大挙就職し、彼らと韓国人との間に生まれた「コシアン」(コリアン+アジアン)も増えている。農村の独身男性との国際結婚も増加傾向にある。統計庁によると、昨年に結婚した農村男性4人に1人が、外国人女性を花嫁に迎えたという。
◆韓国で、混血者の生活は苦痛の連続である。パール・バック財団の調査を見ると、基地村出身の混血者の場合、10人に9人は職場がない。10人に1人は、小学校も終えることができなかった。健康な大韓民国の国民だが、徴集判定官が明白な混血と判断すれば、軍隊にも入ることができない。これをめぐって平等権侵害論議が起こるや、政府は混血でも本人が希望すれば徴集するように兵役法施行令を改正し、今月から施行している。
◆在韓米軍と韓国人女性との間に生まれた混血児とその家族たちが昨日、「国際家族韓国総連合会(国際家族連合)」を結成したという。韓国国民としての平等な権利を訴えたのだ。韓米駐屯軍地位協定(SOFA)には、いまだに混血児に対する義務や責任規定もない。グローバル化という言葉に耳慣れたなら、これからは彼らの叫びに心を開かなければならない。彼らの心の痛む境遇に目を向けなければならない。混血者は、「彼ら、ではなく私たちである」という認識の転換が切実だ。
宋大根(ソン・デグン)論説委員 dksong@donga.com