国防部が、駐韓米軍基地の移転予定地の京畿道平澤市彭城邑(キョンギト・ピョンテクシ・ペンソンウプ)テチュ里一帯の営農を防ぐため農水路閉鎖に動き出し、これを防ぐ住民と強制解散させる警察が衝突した。この過程で、住民たちと、平澤米軍基地拡張反対全国民対策委員会(以下・全対委)所属の会員など10人あまりが負傷した。
国防部は7日、人材派遣会社の職員700人を動員し、K−6(キャンプ・ハンフリーズ)周辺移転予定地285万坪の田畑に農水を供給する農水路3ヶ所のうちの2ヶ所と、揚水ポンプ管路1ヶ所を閉鎖している。
警察は同日58の中隊6000人を投入しており、現場で公務執行妨害および不法デモを繰り広げた住民30人あまりを連行し、取り調べている。
▲テチュ里一帯は修羅場〓同日彭城邑のK−6米軍基地の周辺は、戦場を彷彿させた。400人あまりの住民たちは「自分の土地で自分の農業をしているのに、どうして妨害するのか」と強く抵抗しており、国防部は「不法な営農行為をこれ以上放置すれば、米軍基地の移転に支障をきたす恐れがある」と述べて、強気の姿勢を崩さなかった。
国防部が閉鎖に動き出したのは、新垈里(シンデリ)とハムジョン里、道頭里(トドゥリ)の3ヶ所の農水路だ。安城(アンソン)川から水が入ってくるここが途絶えるれば、基地の移転予定地285万坪での営農行為が事実上不可能になる。
人材派遣サービス会社の職員と掘削機、ブルドーザー、レミコンなど、重装備10台あまりが4組に分けて投入された。
午前9時30分ころ、道頭里の農水路を閉鎖するため、国防部の人材派遣サービス会社の職員100人あまりが掘削機を全面に押し出して進み、ハムジョン里前のヌルソマン教会を通り過ぎようとするや、全対委側の50人あまりが袋小路を塞いできた。狭い袋小路の裏側には警察7中隊が万が一の事態に備えている。
「突き進め」。「お前ら、国を売り払った傀儡めが。去れ」。といがみ合ったと思ったら、あっという間に請負職員と全対委間の揉め事に発展した。
双方が対立しているうちに300mあまり離れたハムジョン里の農水路では、警察11中隊の保護の下で掘削機一台がハムジョン里一帯に水を供給する農水路を掘り返しており、曲折の末午後12時半頃、レミコン車両がコンクリートを注入し、農水路が閉鎖された。
結局、国防部の要請を受けた警察は同日午後3時ころから強制解散に取り掛かっており、国防部は残る道頭里の農水路を新たに閉鎖した。しかし、新垈里の農水路は反発が激しく、閉鎖できなかった。
▲激しい反発の理由は?〓住民たちの反発には自分の土地と故郷を離れたくないという感情的な理由もあるが、現在の保証価格では他のところに行っても定着できないという現実的な理由も働いている。
とりわけ、反発の激しいテチュ里と道頭里の住民297世帯のうち51%が協議買収に合意しているのみで、残りは裁判所に供託した後に、強制退出させているわけだ。全体としては現在約70万坪が供託されたものとされている。
住民たちは「坪当たり14万ウォン前後の補償を受けたが、予定地から離れた周辺地域の相場の呼び値は20万〜30万ウォンを上回っている。さらに、祖先代々に生きてきた土地を離れるわけには行かない」と訴えた。
しかし、国防部は「多様な対策を打ち出したが、住民たちは全く聞く耳を持っていない。駐韓米軍の撤退を主張する反米外部勢力が、むしろ住民たちを煽動している側面が大きい」と主張した。
現在、住民たちは平澤支援特別法を受けて3つの移住団地作り、現代(ヒョンデ)建設の端山(ソサン)農場の代替農地の斡旋など、住民の生計に向けた特別支援対策の恩恵を受けることができる。
国防部は「7月からスタートする移転サイトの地ならし作業など、日程をスムーズに運ぶため、これからはさらに強気で対応するつもりだ」と述べた。
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