ゴビ砂漠でカボチャを栽培しなければならなかった15歳の少年がいた。中国の文化大革命の波によって下方された6年間、勉強は彼の唯一の希望だった。仕事が終わってからも夜には手当たり次第に本を読んだ。「米国の声(VOA)」の放送を聴きながら英語も習った。ウェイゼンサン(51)、彼は現在認められる資産運用会社であるニューブリッジキャピタルの専務取締役だ。金融後進国の中国に先進投資技法を取り入れる資本主義の尖兵として仕事をする。「私が準備していなかったなら、どんなに後悔しただろう」。英国のエコノミスト誌は、彼を「中国の忍耐強い十字軍」と表現した。
◆鋻華大学・数理工程学科出身で前途洋々の政治指導員だった胡錦濤(国家主席)は、文革のときに労働改造隊に送られトイレ掃除をした。鋻華大学・無線電電子学科の学生だった呉邦國(全国人民代表大会の常務委員長)など他の4世代リーダーたちも同様に捨てられた。知識人を攻撃し、資本主義的な物質主義を打破するという文革だったが、知識と資本主義を抹殺することはできなかった。中国を導いた9人の共産党政治局の常任委員は、みな理工系エンジニア出身の技術官僚だ。
◆「ダイナミックなコリア」だからか。文革もわが国へ渡れば「ダイナミック文革」になる。中国共産党は1981年にすでに文革を反人倫的と評価したが、わが国の民主化勢力の一部にとってはまだ精神的な支えだ。過去のイデオロギーにこだわるほど知的に怠慢で、知っていることもあまりない集団が、世界化時代にふさわしいキャリアを持っているはずがない。考えが違えば一方的に敵に回す「文革的雰囲気」も尋常ではない。
◆もちろん、共産主義の独裁を動力にして成長する「中国モデル」をわが国のモデルと比べることはできない。「調和を成す社会」という名目で政治的反対を抑圧する新レーニン主義の中国がどれほど成長するかも見守るべきだ。ただ中国は知識と実用主義で文革に背を向けて久しいが、わが国の一部が反知識、親文革に陥っているようで、残念でならない。
金順徳(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com