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常軌逸した北、振り回される韓国 対北朝鮮事業の実態

常軌逸した北、振り回される韓国 対北朝鮮事業の実態

Posted September. 05, 2006 06:53,   

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「市場秩序のない北朝鮮で事業をしていたら問題が生じる場合もあるでしょう。しかし、利害当事者同士で約束した契約が無視されては、新規事業は成り立ちません。人を裏切ったパートナーが私を裏切ったりはしないか疑心暗鬼になるのです。これから誰が北朝鮮のことを信じて、新しい取引をするのでしょうか」

北朝鮮が現代(ヒョンデ)グループが使用権を持っている開城(ケソン)工業団地の開発地域内でゴルフ場など、大規模なリゾート建設に向けた土地使用契約を韓国の中堅不動産開発会社であるユニコ総合建設と締結したということが報じられた4日。ある大企業の役員A氏は、「やはり北朝鮮はパートナーとしては当てにならない」と苦い顔をした。

A氏は「あのように『無鉄砲な』北朝鮮に韓国政府がこれからもずっと引きずられたら、結局対北朝鮮事業そのものが危うくなりかねない」と憂慮した。

●北朝鮮、現代グループにはもう用なし?

現代グループは、金大中(キム・デジュン)政府当時、鄭周永(チョン・ジュヨン)現代グループの創業主の主導で対北朝鮮経済協力事業を本格化した。00年には、南北首脳会談を実現させるため4億5000万ドル(当時の為替レートベースで約5100億ウォン)を不法送金するなど、最近まで10億ドル以上を北朝鮮につぎ込んでいる。この過程でグループ経営が行き詰まっており、グループのトップである鄭夢憲(チョン・モンホン)会長の自殺という悲劇も経験した。

このような大きな代償を払って、現代は電力、鉄道、観光、ダム建設など、「7大事業権」を北朝鮮から取り付けた。第3段階として開発される開城工業団地事業と関連しては、50年間土地を使える使用証を発給された。

しかし、現代はすでに進んでいる金剛山(クムガンサン)観光と開城工業団地の第1段階の開発事業以外の事業で次第に外されつつある。北朝鮮は、開城および白頭山(ペクトゥサン)観光事業と関連し、事業権をとった現代を蚊帳の外においてロッテ観光と手続きを協議しており、交渉はすぐ決着するだろうといううわさも流れている。

さらに、ユニコ総合建設に開城地域の140万坪の土地使用権を4000万ドルを受け取る条件として手放す契約を締結したことが今回明らかになったことから、現代は苛立ちを募らせている。

●政府の確固たるガイドラインが必要

今回の事態の責任は1次的に現代に肩透かしを食わせた北朝鮮にあるということは言うまでもない。ただし、南北経済協力事業を取り仕切る政府が、南北関係の悪化を恐れたあまり生ぬるい対処の仕方に終始したため、北朝鮮を「調子に乗らせた」と見る向きもある。

北朝鮮とユニコ総合建設の契約事実が東亜(トンア)日報の報道で分かった4日、統一部のコ・ギョンビン開城工業団地支援団長は「現代峨山(ヒョンデ・アサン)側が北朝鮮側と協議した開城工業団地地域の2、3段階の開発事業とユニコ総合建設側の事業内容が重複ないし衝突する恐れがあった。事業者間の事前協議が必要だ」と述べた。

ところがコ団長は「統一部は、現代峨山に対して開城地域にゴルフ場を建設するという内容の協力事業を認めたことがない。私的な領域であるだけに、二重契約も可能だとみる」と付け加えた。

このような統一部の受け止め方は、南北経済協力という特殊な事業を一般的な「私的領域」として位置づけたまま、民間事業者間の自立的な話し合いで問題を解決しろという意味をうかがわせるものだ。

しかし、現代の対北朝鮮事業が単に民間企業の活動レベルから動き出したものではないということは誰もが知っていることだ。ある経済団体の役員は「政府が南北経済協力事業と関連し、資格を制限していないため、企業が対北朝鮮事業にむやみに手をつけており、北朝鮮も思い上がっている」と指摘した。

中央(チュンアン)大学経済学部の洪起澤(ホン・ギテク)教授は「まったく見当のつかない北朝鮮とスムーズに事業を進めるためには、韓国政府がはっきりした取引原則とガイドラインを示すべきだ。対北朝鮮事業の特性からして、民間の自立に任せっきりでは不確実性ばかりが増すだろう」と強調した。



sunshade@donga.com taewon_ha@donga.com