従来の教科書で「5・16軍事政変」と記述されている5・16軍事クーデターが、「5・16革命」と表現され、4・19革命が「4・19学生運動」と記述されたニューライト系列の近現代史の教科書が公開され、論議が予想される。
ニューライト団体の「教科書フォーラム」(共同代表=朴孝鍾、李栄薫ソウル大学教授、車相哲忠南大学教授)は29日、韓国近現代史の教科書試案を公開した。
公開された教科書は、5・16軍事クーデターを「5・16革命」「5月革命」と表現し、「経済発展の画期的な契機となった革命的事件」と定義した。
また、これを機に登場した統治勢力が、「国家発展の総合的基礎として経済発展の重要性を認識し、特有の推進力で、経済発展を成功的に主導した」と評価した。
いっぽう4・19革命は、「4・19学生運動」に格下げされた。
維新体制については、「権力構造的次元で、領導的権限を持った大統領の終身政権を保障する体制」であり、「行政的次元では、国家的課題の達成に向け、国家の資源動員と執行能力を大きく向上させる体制」と評価した。
「5・18光州(クァンジュ)民主化運動」も、「5・18光州民主化抗争」と表現し、発生原因は、「発展と中央権力からの疎外が累積したうえ、同地域出身の政治家である金大中(キム・デジュン)氏の逮捕の知らせが、市民の怒りを引き起こしたため」と記述した。
1980年の「ソウルの春」については、「霧の政局が、1980年の春、大学のキャンパスに大規模なデモを引き起こし、結果的に強硬派の軍部の介入の口実を提供した」と書いた。
2002年の大統領選については、「386社会運動を代弁する少数政治勢力に属した盧武鉉(ノ・ムヒョン)氏が、大統領に選ばれた」と表現した。
このほかにも、「民主化以降の韓国では、『歴史の終焉』とはかけ離れた『反自由主義』あるいは『非自由主義』の時代精神が支配した」とし、市民団体については、「自ら独善と傲慢で武装した権力機関として定着した」と評価した。
地域均衡発展、行政首都移転については、「政府自らが、国土の無秩序な乱開発を招くケース」と表現した。
教科書フォーラムは、教科書試案に対する意見を聞くために、30日午後1時30分から、ソウル大学教育学部教育情報館で、第6回シンポジウムを開く予定だ。
同フォーラムは、安秉直(アン・ビョンジク)ソウル大学名誉教授、全相仁(チョン・サンイン)ソウル大学教授、申志鎬(シン・ジホ)西江(ソガン)大学教授、柳錫春(ユ・ソクチュン)延世(ヨンセ)大学教授など、ニューライト系列の教授たちを中心に構成された団体だ。
昨年1月、「韓国近現代史の6つの教科書は、大韓民国の伝統性を否定する『自虐史観』『親北朝鮮左派史観』を土台に、閉鎖的な感情的民族主義、北朝鮮の現実だけを理解する内在的アプローチ、修正主義歴史観の見方を含んでいる」として、新しい歴史教科書の執筆の意思を明らかにした。その後、5回のシンポジウムを開き、専門家たちの意見を聞いてきた。
ソウル大学の朴孝鍾(パク・ヒョジョン、国民倫理教育)教授は、「今回発表された教科書は試案であり、批判を聞いて、必要なら修正し、来年3月に出版する」と述べた。
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