北朝鮮が、羅津(ナジン)港に外国船舶が入出航できるようロシアと合意したことは、国際社会の北朝鮮制裁で経済難が加重している中、部分的であれ開放の意志を明らかにしたものと分析される。
北朝鮮は91年から、羅津・先鋒(ソンボン)経済特区開発計画によって羅津港の部分開放を推進していたが、低調な外国人投資の誘致や94年の北朝鮮の核危機で事実上失敗していた。
しかし最近、中国とロシアが羅津港の開発に意欲的に乗り出していることで、羅津港開放の進度は、当時とは比べられないという見方が強い。
▲羅津港開発を競う中・露〓羅津港は、韓半島と中国、ロシアをつなぐ戦略的要衝地で水深が深く、港湾開発に有利な条件を備えている。このため中国とロシアが、羅津港の開発をめぐり競争を繰り広げているが、現在のところ中国が一歩リードしている状況だ。
中国は、北朝鮮・羅先(ラソン)市の人民委員会経済協力会社と共同出資して羅先国際物流合営公社を設立し、羅津港の第3埠頭と第4埠頭の50年間の運営権と琿春〜羅津港をつなぐ国道の50年間の運営権を獲得した。
ロシアも最近、北朝鮮側と羅津〜ハサン間の鉄道の現代化に向けた基本合意の締結に乗り出すなど、羅津港を極東地域の物流基地として活用する計画を立て、攻撃的な投資をしている。
▲羅津港開放の背景と北朝鮮に及ぼす影響〓中国とロシアが、羅津港の開発の主導権をめぐって競争し、北朝鮮はすでに相当規模の投資の約束を取りつけたもようだ。
中国は、羅津港の開発と琿春〜羅津間の道路建設を含め、羅津港付近の工業団地の造成にかかる投資費用として約350億ウォンを投資することを決めた。ロシアも、300億ウォンの費用がかかる羅津〜ハサン間の鉄道現代化および羅津港の現代化に投資する考えを伝えている。
▲南北交流の増大と北朝鮮開放に及ぼす影響〓北朝鮮はすでに04年、南北海運合意書を締結し、羅津港など7港を韓国側に開放している。
しかし、出港3日前に船舶名や運航目的、日時、積載貨物のリスト、船員名簿などを通報し、船舶運航許可を受けなければならないなど手続きが複雑なうえ、南北間の物流量が少なく、大きな効果を収めることができずにいる状況だ。
しかし、羅津港が本格的に開放されてロシアと中国の物流拠点になる場合、南北間の船舶運航が活発になるものとみられる。韓国の欧州への輸出品を羅津港まで船舶で運び、これをシベリア横断鉄道(TSR)で欧州に輸送する場合、物流コストと時間が最大4分の1に削減できるなど、経済的利益が莫大なためだ。
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