グループ「シャクラ」のメンバーとして歌手の活動をしていたとき、チョン・リョウォンはそれほど「ホット」な人物ではなかったB演技者に変身した時もたくさんの注目を受けたわけではない。彼女よりずっと人気の高い歌手たちも演技に対しては酷評を聞くのが普通だったから。しかし、シチュエーション・コメディー「こんにちは、プランチェスカ」とドラマの「私の名前はキム・サムスン」、「あなたはどこの星から来たの?」を通じて、チョン・リョウォンは演技者としての軟着陸に成功した。
その彼女がいよいよ映画の初主演になった。9月13日に封切られる「二つの顔の彼女」で純粋なアニと暴力的なハニといった二つの人格を持った多重人格障害の患者役に扮したもの。ポン・テギュが、気は小さいが心の広いボーイフレンドに扮する。映画は「猟奇的な彼女」を思わせる設定が多いが、漫画的な溌剌さにチョン・リョウォンの極端な両面を見る楽しみがある。「演技がとても好きで胸がドキドキする」というチョン・リョウォン。彼女は試験を受けた後、その結果を待っているような姿だった。
Q.初主演なので、緊張したのでは。
A.最初は断った。あまりにも重い二つの荷物を持つような気がして。しかし、この年でこの時期にこれぐらいの挑戦をしなければ、さらに跳躍できないと思った。住宅も借り家を探すより無理してでも買ったほうが後では利益になるのだから。
Q.さっき(試写会の時)、舞台で挨拶をするのが夢だと言っていたが…。
A.「私はいつになったら、そんなことができるだろう」と思っていた。メガボックス・COEXに一週間に一度は来るが、今日、私がそこで舞台挨拶をした。一昨日も一人で来て、「ラタトゥイ」を見たのだが
Q.暴力的で悪口を言いまくるハニの役割が意外とよく似合っていた。
A.私の性格がハニのようではないが、かと言って、それほど女子らしい性格でもない。私のそのような演技を見て、人々が驚く時、かえって私がびっくりした。私が弱くて保護されるべき存在に見られたのかと思って。私は明るくて元気なヒマワリなのに、人々は私がコスモスだと思っている。
Q.まったく違う二つの性格を演技しながら、まぎらわしかったりしなかったのか。
A.目を一度閉じて開けたら、変わった性格を演じなければならなかった。その場になると、何とかできた。
Q.台詞の中で「神様がいるなら、欠点があればリコールしてくれるのは筋じゃない?」という言葉があるが、本人もリコールしてもらいたい部分があるのか。
A.いつも劣等感がひどかった。私はいつも不幸だと思っていた。今は違う。ある本を読んだら、人間が自分が持っていることに満足する時、一番幸せだと書いてあった。(カップを持ち上げながら)私がカップに生まれたのに、さらに多くの水が盛られる水筒に生まれなかったとうらやんでも仕方ない。
「その通りだが、それが簡単でない」と言うと、チョン・リョウォンは目を輝かせながら、「引き続き洗脳させればいい」「できる」と繰り返して話した。彼女は思ったよりしっかりしている人に見えた。豪州で9年を暮らして韓国に来た時、「外国で暮らしてきた子らが舌たらずの言い方をするのが嫌」で、一日中、本を読みながら韓国語を練習したという。
Q.「スタイル・アイコン」のイメージが強い。決めているわけではなくて、まるでファッションに関心のないようでありながら、「シーク」なレイヤードルックの達人だ。
A.ジーパンにTシャツだけ着てもきれいだって?それはウソ。ラインがきれいなTシャツとジーパンを着なければならない。そうするためには、自分の体型を知らなければならない。肩幅が狭ければ肩幅の広いTシャツを着るというふうに。自分を知ってこそ自分をスタイリングすることができる。普段、スタイルに対する工夫をこらして、東大門(トンデムン)市場へ行って材料を買って、アクセサリーも作る。
Q.映画でもインジョルミ(お餅の一種)と豚肉の三枚肉をずいぶんたくさん食べていたが、いまアイスクリームもよく食べる。
A.食べるとすぐ太る体質なので、本当に一生懸命運動する。1日に縄跳びを1000回ずつし、10キロ歩く。撮影の時も暇さえあれば運動する。人気には責任が必要だと思う。きれいな肌の秘訣を聞かれると、みんな同じ答えをする。まあ、いい。みんなスキンケアを受けていながらそう言っている。
yourcat@donga.com