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[オピニオン]バフェット氏シンドローム

[オピニオン]バフェット氏シンドローム

Posted October. 27, 2007 03:08,   

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「価値投資の大物」バークシャーハザウェイのウォーレン・バフェット会長(77)は「投資家」という個人の身分で来韓し、わずか6時間しか滞在しなかったものの、国賓のようなもてなしを受けた。聞いていた通り、彼はざっくばらんで質素だった。とてつもない富豪が、空港では自分で荷物を受け取り、昼にはコカコーラを飲みハンバーガーを食べた。今財布にいくらあるのかという質問に、その場で600ドル(約55万ウォン)を取り出して数えてみせる姿も印象的だった。

◆バフェット氏の来韓に株価も動いた。「投資したことがある」と言っただけで、起亜(キア)自動車は6年ぶりに最高値を記録し、韓国総合株価(KOSPI)指数、コスダック(店頭市場)ともに2日連続で94.70ポイント(4.9%)と17.27ポイント(2.21%)値上がりした。有価証券とコスダックを合わせた時価総額は1120兆880億ウォン余りで、彼の来韓後、49兆8734億ウォンもふくれ上がった。原油高など各種悪材料にも関わらず、KOSPI指数が2000ポイントを回復したのには、「韓国の株式市場10年以上もつ」というバフェット氏の楽観論が大きく貢献したという分析だ。バフェット氏の一言で株を購入した投資者たちは、彼が強調する「価値投資」とはかけ離れているのだが…。

◆バフェット氏も韓国を愛しているそうだが、彼に対する韓国人の愛情も並大抵ではない。国内で出されたバフェット氏関連書籍は30種に達し、漫画の自叙伝まである。韓国人のこのような愛情には「金持ち賢者」に対する憧れが作用している。韓国には尊敬される富豪がいないというコンプレックスの現われとも思われる。しかし、米国にせよ韓国にせよ、金持ちはたいていまじめでよく働くという点で似ている。金持ちというのは、金持ちであるだけで人の役に立つ。多くの人に働き口と収入を与えるからだ。韓国の企業経営者の成功神話にも、バフェット氏に劣らぬ感動が隠れている。

◆韓国の富豪の中にも、バフェット氏のようにいいことに金を使う清富が多い。寄付をしないと批判するばかりではなく、米国のように「相続が損になる」システムを作らなければならない。我々は、時には自分自身を余りにも低く評価しながら、他の人、特に外国人の一言を騒ぎ立てる傾向がある。海外の富豪ばかり尊敬の目で見るものではない。彼の言葉ではないが、韓国もすでに、世界に名だたるグローバル企業を擁する世界的な経済大国なのだ。

許文明(ホ・ムンミョン)論説委員 angelhuh@donga.com