「自動車デザインはどの分野よりも競争が激しく、各会社でも徹底的に能力に主眼を置いて採用します。なぜ韓国人が多いかということですか?手先が器用な上、根性を持っており、各会社で好んでいるからです」
●主要コンセプトカーには例外なく参加
米デトロイト・ジェネラルモーターズ(GM)のデザインセンターで働いている自動車デザイナーの李サンヨプ氏の言葉だ。同センターで働くデザイナー200人あまりのなかに韓国人が38人もいるほど韓国人たちは自動車デザインの分野では実力を認められている。
15日、GM本社の会議室に集まった韓国人デザイナー6人との電話インタビューを通じて、韓国人デザイナーたちが注目を集めている理由を聞いた。
李氏がここで働き始めた00年当時の韓国人デザイナーはわずか2人だった。ところが、それ以来、新規採用人材の半分を韓国人が占めてきた。
韓国で大学を終えた後、米国「アートセンターカレッジオフデザイン」を卒業したチ・ハンギョン氏は、「現在、母校の自動車デザイン学科在学生の10〜15%が韓国人で、彼らは卒業後、GMを含めて全世界の自動車メーカーに本格的に進出している」と伝えた。
「アートセンターカレッジオフデザイン」は、自動車デザインとして名高い学校。1960〜70年代、ここを卒業した日本人たちが、日本自動車産業の復興を先導したという評価を受けている。最近は、中国人学生も目立って増えている。
GMデザインセンターで韓国人は、数が多いのみならず、GMが最近主導しているデザイン革命においても、核心的な役割を担当している。
GMが最近、デトロイトモーターショーで公開した「ハーマーHX」は、女性デザイナーのカン・ミニョン氏がデザインし、李サンヨプ氏は、「コルベックC6」をデザインするなど、主要コンセプトカーにはもれなく参加している。
韓国人たちがデザインセンター全体人材の20%を占めているので、面白い出来事も多い。
スティーブ金(韓国名=金ソンス)氏は、「韓国人があまりにも多く、韓国人が通り過ぎれば、同僚の米国人が『おい、あそこにまた韓国人のマフィアがやってくる』と冗談めかして話す。そのときは『黒に毛染めしなさい。そうすれば仲間に入れてあげるから』と切り返す」と話した。
ジョセフ・チェ(チェ・ウォンソク)氏は、「プライバシーを重んじる米国会社で働いているが、韓国人たちはたびたび飲み会を開くなど、普段から親密な関係を保っている」と雰囲気を伝えた。
●フォードやポルシェなどにも相次いで進出
韓国で大学を卒業した後、現代(ヒョンデ)自動車を経てGMに入社したソン・インホ氏は、「デザインの特性上、言葉の壁は大きな問題ではない」とし、「韓国人たちは創意力の面で、特別な何かがある」と語った。
GMのみならず、ベンツやBMW、ポルシェ・フォードなど、主要自動車メーカーに韓国人の進出していない会社がないほど、最近、韓国人自動車デザイナたちの人気が高騰していると、同センターのほかの関係者たちも口をそろえる。
李サンヨプ氏は、「最近、主要自動車メーカーで働く韓国人デザイナーたちの多くは20〜30代の働き盛りの人たちだ。世界最高の有名車を、韓国人たちが我先にデザインする日もそれほど遠くはない」と自信をのぞかせた。
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