●これまでの黒字構造の崩壊か
中国は03年から今年上半期までの6年連続、韓国の貿易相手国のうち、最大のドル箱だった。
しかし、対中貿易収支は05年(年間232億7000万ドルの黒字)をピークに06年209億300万ドル、07年189億5700万ドルへと縮小している。
貿易協会・国際貿易研究院は、「北京オリンピック後、中国経済が後退局面に入る可能性が高く、今年も対中貿易収支で黒字規模が縮小する可能性は排除できない」と予想した。
特に、韓国の貿易黒字総額に占める対中黒字の割合は、1999年の20.1%から01年=52.3%、03年=88.0%、05年=100.4%、07年=129.5%と高くなる一方だが、対中貿易黒字が減少しているため、これ以上中国市場を「貿易収支のよりどころ」と期待するのは難しいのでは、という懸念の声も出ている。
韓国の貿易相手国のうち、先進国との貿易黒字は軒並み縮小した。
01年から02年まで、米国は最大の貿易黒字相手国だったが、03年〜07年には3位、今年上半期には5位に下がった。対英貿易は1999年、5番目に多い黒字だったが、今年上半期は13位だった。同期間、スペインとの貿易黒字額は10位から14位の規模に縮小した。
●新たな貿易黒字相手国が台頭
ロシアとブラジルとの貿易黒字は、1999年に20位以内にも入らない規模だったが、今年上半期にはそれぞれ16位、17位となった。今年上半期にロシアとブラジルに対する韓国の自動車輸出が、それぞれ昨年同期比49.6%と271.7%増加したことによる。
さらに「石油製品の中央市場」であるシンガポールとの貿易黒字額は、1999年、6番目に多かったが、今年上半期には3番目となった。韓国精油会社による石油製品の輸出が増加したことによる。
ベトナム、ポーランド、スロバキアとの貿易では、「韓国の大手企業の市場参入効果」で黒字額が増加した。
ベトナムは、1999年11位から今年上半期には6位と上昇した。同期間、ポーランドは13位から7位に、20位以上だったスロバキアは12位となった。
これは、ポーランドにLG電子と現代(ヒョンデ)自動車工場、スロバキアに起亜(キア)自動車工場、ベトナムにPOSCOや斗山(トゥサン)重工業などの工場が進出しているのと密接な関係がある。これらの国で製品を生産するために韓国からの原材料・部品の輸入が増えたのが、韓国の貿易黒字の拡大につながった。
今年上半期の韓国の貿易相手国のうち、黒字規模の大きい20カ国には、パナマ(10位)、マーシャル群島(11位)、バハマ(18位)、リベリア(19位)がランクインし、注目を集めている。これらの国は、代表的な「タックス・へイブン(租税回避地)」であり、欧州系船主らが節税目的で、韓国の造船会社に注文した船舶を引き取る場所として好んだためと分析している。
●対日貿易赤字はさらに拡大
一方、対日貿易赤字と、天然資源の乏しい韓国が、サウジアラビアなどの資源保有国から資源を大量輸入する赤字構造は慢性化している。
今年上半期、韓国の最大の貿易赤字相手国は日本だった。対日貿易赤字は、今回分析した対象期間で最大規模だった。特に今年上半期の対日貿易収支は、170億3600万ドルの赤字と、1999年同期間に計上した37億2400万ドルの4.6倍に膨れ上がった。韓国の対日貿易赤字が慢性化している最大の理由としては、部品・素材産業の力不足があげられる。
日本に続き、今年上半期の貿易赤字は、サウジアラビア、アラブエミリ、カタール、クエートの順で規模が大きかった。1999年の貿易赤字額は、日本、サウジアラビア、オーストラリア、インドネシア、クエート順に多かったが、その頃と大差はない。
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