ヒラリー・クリントン米国務長官の父親、ヒュー・ローダムは、亡くなるまで、徹底した共和党支持者だった。ローダム氏は冗談ではあったが、「ヒラリーをウェルズリー大学に行かせたのは、大きなミスだった」と言っていた。家族の期待を一身に負っていた長女が、父親の嫌うヒッピーのような見て、聞いて、着こなし、父親が白眼視する進歩性向のニューヨーク・タイムズ(NYT)を読むのも我慢できなかった。しかし、ローダム氏も娘婿のビル・クリントン氏が民主党の大統領候補に立候補すると、「私も共和党員だ。しかし、あいつ(ビル・クリントン)は本当に素晴らしいやつだ」と、選挙運動に乗り出した。
◆娘を多く持つ父親ほど、進歩性向になるという調査結果が出た。英紙「テレグラフ」は、自国の世帯に対する調査資料を分析した結果、娘を多く持つ父親は、進歩性向の労働党への支持率が高かったと一昨日、報じた。3人の息子を持つ両親の67%が労働党に投票したのに対して、3人の娘がいる世帯の労働党支持率は77%だった。娘が2人や4人の家族も、似たような投票傾向を示した。それと似た分析事例のない韓国は、果たしてどうだろう。
◆英ウォリック大学のアンドリュー・オズワルド教授は、「娘の存在は、父親らの政治的見解を変化させ、『女性的な欲求』を一段と好意的に受け入れさせる」と分析した。出産や育児への負担を持つ女性らは、政府に対し増税や公的役割の拡大、女性負担の軽減を要求し、このような娘を持つ父親は、同調現象を示しやすいという。娘が苦労するのを見かねる父性愛のようだ。一方、息子を持つ母親は、公共的な役割の縮小や減税を好む「男性的な傾向」により近い。政治的な性向や支持政党も、父親や母親の愛情の前では従属的な変数に過ぎないだろうか。
◆子供の有無によって、米下院議員らの法案への見解が異なるという研究結果もある。子供がいるほど進歩的で、娘がいればさらにそうだという。妻のために政治的な見解や支持する政党を変えたという話は、あまり聞いたことがない。なぜ、こともあろうに娘だろうか。おそらく、妻や娘に対し、男性は二重の基準を適用しているためだろう。ビールは妻にはアルコールだが、娘には飲み物になる。妻が「花より男子」を見る時は情けなく思うが、娘が見る時は、何気なく、割り込んで知ったかぶりをする。
鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com