［社説］米議会「韓国戦争６０周年決議案」に盛り込まれたメッセージ

韓国戦争６０周年を迎え、韓米の同盟関係を一層発展させる内容の決議案が先週、米連邦下院に提出された。共和党のエド・ロイス議員（カリフォルニア州）が発議した同決議案は、超党派で推進された。韓国戦争に参戦した勇士である共和党のサム・ジョンソン下院議員（テキサス州）が昨年１２月に提出した「韓国戦争６０周年記念法案」も成立を待っている。同法案には、今年から４年間、毎年、韓国戦争記念行事を実施する内容も含まれている。

ロイス議員の決議案は、北朝鮮の韓国への侵略とソウル陥落、トルーマン大統領の海・空軍派兵命令、国連軍の仁川（インチョン）上陸作戦とソウル奪還、中国共産軍の介入、休戦協定、マッカーサー将軍の銅像建立を取り上げている。さらに、韓米の軍事的・経済的同盟関係をより一層緊密に維持することを求める決議事項を盛り込んでいる。

「米国と韓国は、多くの価値を共有している伝統的な同盟国であり、このパートナーシップは重要性を増すだろう」という内容は、安全保障に関連した韓国国民の不安を多少減らしてくれる。２０１２年４月１７日に予定されていた韓米連合軍司令部の解体と戦時作戦統制権の返還の再調整が、この決議案の同盟精神に合致する。「軍事的パートナーシップを活発な経済協力に拡大することで、緊密な協力関係を維持していくことを確認する」という内容は、米議会の批准を待つ韓米自由貿易協定（ＦＴＡ）の未来に肯定的な信号を送っている。

同決議案は、両国を除く２０ヵ国の韓国戦争参戦国と医薬品支援国の国名も挙げ、北朝鮮の侵略を撃退するために共に血を流したあの日の精神を再確認している。同議案は、韓国戦争で米軍約３万７０００人が戦って戦死したと明記している。しかし、韓国軍の戦死者数を約４万６０００人としたのは誤りだ。韓国軍事編纂研究所がまとめた韓国軍戦死者数は１３万７８９９人だ。

海軍哨戒艦「天安（チョンアン）」沈没後、オバマ大統領とウォルター・シャープ在韓米軍司令官、米第２師団は、犠牲将兵に対する追悼と救助支援に誠意を示した。両国は、赤化統一と核兵器開発の野心を捨てない金正日（キム・ジョンイル）政権が自ら墓穴を掘っていることをこの機に明確に分からせなければならない。韓米軍事同盟と経済協力関係が天安艦事件の原因究明と対応措置にも発揮されることを期待する。

韓国国会は、韓国戦争６０周年に米国をはじめとする参戦国に対して感謝を示す決議案一つ準備していない。有り難みが分からない人は、本当に助けが必要な時に誰も助けてくれない。国家関係も同じだ。