発明や特許登録は、主に企業各社で行われてきたが、地道に発明に専念し、相当な所得まで手にしている個人発明家もいる。「第48回発明の日」(19日)を控え、これらの発明にまつわる物語やノウハウについて聞いた。
KAIST文化技術大学院・博士課程に在学中のファン・ソンジェ氏(31)は最近、最も注目を集めている個人発明家の一人だ。この4年間、100件あまりの技術を発明し、このうち一部を売って10億ウォンに上る収入を上げている。
ファン氏が発明した代表的技術には、1ヶ月前に特許をとったペンの形をしたスマート機器向け入力装置「マグゼット」だ。この装置を使えば、学生時代の「鉛筆回し」をするかのように、左と右側に回しながら、スマート機器を動かすことができる。ファン氏の技術を活用するため、韓国の国内メーカーはもとより、米国や中国の電子メーカー各社まで、水面下で競争を繰り広げている。
ファン氏の学校での成績は最下位だったが、高校2年の時、トイレットペーパーを節約できる装置を発明したことをきっかけに、発明に打ち込んで、これまで150件あまりの特許をとってきた。周りでは、「1人の創造企業」と呼ばれている。ファン氏は、「身の回りで簡単に見つけられるアイデアを活用し、技術へと発展させれば、誰もが発明を通じて金を稼ぐことができる」と話した。
キム・ヒョンウ氏(25)は、高校生時代、50件あまりの発明関連賞を総なめし、「高校発明王」という異名を得た。キム氏は、発明が好きで、人文系の高校の代わりに、工業高校に進学し、発明に専念してきた。高校時代、大豆萌やしを栽培する祖母のため、なかなか腐らない大豆萌やしの栽培機を発明し特許をとった。米食い虫を防ぐ「米冷蔵庫」技術も開発した。高校を卒業すると同時に、自分が発明した技術を活用し、小さな会社を立ち上げたりもした。今は、発明に関心のある小中高校生らに対し、発明関連メンターリングをおこなう活動をしている。
個人発明家としてスタートしたクォン・スンボム・イーキューブラブ社長(25)も、太陽光発電を公共ゴミ箱に適用したごみ圧縮技術で、毎年1億5000万ウォンの売上げを上げ、成功した青年起業家のリストに名を連ねている。
最近は、女性の個人発明家も少なくない。シークレットウーマンのキム・ヨンヒュ社長(50、女)は、部分的脱毛で悩んでいた平凡な専業主婦から、ファッションかつら業界の最高の革新家として、人生の道を変えた人物だ。キム氏は、頭の形を補正するかつらを開発した。携帯向けマルチ読書台などの新商品をもって、海外市場を開拓しているソ・ジョンオク氏(56、女)も、読書台についての娘の苦情を耳にし、この商品を開発した。
「特許金持ち」の著者であるチョン・ギオク特許審判院審判官は、「他人とは違うアイデアを発明へとつなげることができれば、金を稼ぐことができる」とし、「発明家らこそ、真なる創造経済の主役であり、このような人たちが多く排出されてこそ、21世紀の経済復興を果たすことができる」と強調した。