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朝日新聞「慰安婦問題の本質は変わらない」

朝日新聞「慰安婦問題の本質は変わらない」

Posted August. 29, 2014 03:51,   

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日本軍慰安婦の強制連行を証言した吉田清治(2007年に86才で死去)の関連記事を取り消して以降、保守勢力から集中砲火を浴びている朝日新聞が28日、「慰安婦問題の核心は変わらない」と反論した。一つの誤報をしっぽをつかんだかのように、慰安婦問題のすべてを否定しようとする動きに一石を投じたのだ。

同紙は28日、3面の企画記事で、「河野談話は吉田証言に依拠していない」と強調した。吉田氏は、第2次世界大戦当時、山口県労務報国会下関支部の動員部長として済州(チェジュ)で多くの女性を慰安婦にするために強制的に連行したと、講演で証言した。朝日新聞は、1982年9月2日付の社会面で証言を紹介し、16回の関連記事を掲載した。

しかし、証言の信憑性が韓国と日本で問題になると、1997年に「吉田証言の真偽を確認できない」と明らかにし、今月5日に関連記事を取り消した。その後、日本の保守寄りのメディアは、「慰安婦は虚構だった。河野談話を取り消すべきだ」と大々的な攻勢に出た。朝日新聞に対しては、日本の名誉を失墜させた「売国新聞」というレッテルを貼った。

朝日新聞は、吉田証言の記事を取り消したことに対して、「河野談話の『根幹』が崩れるとする主張が出ている」と批判した。そして、「日本政府は河野談話の作成過程で、吉田氏をヒアリングの対象としたものの、その証言内容を談話に反映しなかった」と強調した。談話作成にかかわった当時の政府関係者が、「つじつまが合わない部分があったため、談話には採用しなかった」と証言した内容を紹介した。

同紙は、「談話作成の根拠になったのは、軍や朝鮮総督府、慰安所経営の関係者の証言のほか、

日本の関係省庁や米公文書館などから集めた大量の資料だった」と指摘した。河野談話発表の約4ヵ月前、当時の谷野作太郎外政審議室長が参院予算委員会で、「強制は単に物理的に強制を加えることのみならず、脅かし、畏怖(いふ)させ本人の自由な意思に反した場合も広く含む」と答弁した点も取り上げた。河野談話は、女性たちが自由意志を奪われた「強制性」を問題にしている。同紙は、「韓国でも慰安婦問題を取り上げる根拠は被害者の証言だ」とし、「吉田証言は問題の本質ではない」という元外交当局者の発言を付け加えた。

明治学院大学の高橋源一郎教授は、慰安婦被害者の証言を信じることができないという保守派の主張に対して、先の戦争で多くの小説家が兵士として赴任したが生き残り、書き残した小説に、「同じ人間として生きる慰安婦たちの鮮やかな姿も混じっている」と反論文を同紙に寄稿した。小説家の田村泰次郎は「裸女のいる隊列」(1954年)という作品で、慰安婦が全裸で兵士たちと行軍を強要される姿を、古山高麗雄は「白い田圃」(1971年)という作品で、強制的に徴集された自分と同じように徴用され、数千回も屈辱を受けた慰安婦に深い同情を感じる様子を描写している。

しかし、保守派による河野談話撤回の攻勢はますます激しくなっている。読売新聞は、朝日新聞の報道が歪曲した歴史を広める契機になったという趣旨のシリーズを始めた。産経新聞は社説で、新しい談話の発表と河野氏の国会召喚を求めた。日本の各種週刊誌も、「朝日は売国奴」という特集記事を掲載した。