軍当局は26日、北朝鮮が建設している葛島(カルト)砲兵バンカーに対して「深刻な脅威」と見なした。この施設は、北西島嶼の韓国軍の動きを把握するための観測基地の性格を帯びている。
金鏜奭(キム・ミンソク)国防部報道官は26日、定例会見で、「北朝鮮軍が延坪島(ヨンピョンド)前方の西海(ソヘ・黄海)の葛島にいくつかの施設を建設している」とし、「葛島の地理的位置や北方限界線(NLL)と延坪島の距離から見て、韓国軍にとって深刻な脅威だ」と述べた。そして、「韓国軍は、この地域に北朝鮮軍が火気の配備をどのようにしているのか集中的に監視している」と付け加えた
軍筋によると、延坪島から4.5キロ離れた葛島に北朝鮮が建設しているバンカーは、観測基地の役割を帯びているという。北朝鮮は葛島に最大射程20キロの122ミリ多連装ロケット砲を配備したと見られている。軍筋は、「122ミリ砲を延坪島から7.5キロ離れた長左島(チャンジェド)から発射しよと4.5キロ離れた葛島から発射しようと、砲弾が到達する時間差はほとんどない。このことから、軍事的脅威が深刻なほど高まったわけではない」と指摘した。同筋は、「北朝鮮軍の観測装備が劣悪なので、韓国の北西島嶼の戦力配備の現況や動向をより詳しく把握するための目的もあるとみえる」とし、「無人島である葛島を有人島にし、西海NLL地域での軍事的緊張を高めようという意図もあるだろう」と強調した。
このため、軍当局は砲撃挑発など万一の事態に備えて、延坪島に多連装ロケット砲など戦力の増強を検討している。北朝鮮の攻撃基地が増えれば、北西島嶼を含め韓国海軍の高速警備艇や警備艦への奇襲攻撃の脅威が増すためだ。
韓国軍の延坪島戦力増強計画の修正も避けられない。現在、北西島嶼のうち、来年から韓国の次世代多連装ロケット砲の「天舞(チョンム)」(最大射程80キロ)を配備する場所として白リョン島(ペクリョンド)は含まれたが、延坪島は除かれている。白リョン島よりも民間人が多い延坪島に砲兵戦力を増やせば、北朝鮮軍の攻撃対象になる可能性があるという理由だった。
軍筋は、「現在のところ、白リョン島に配備された韓国軍の多連装ロケット砲『九龍(クリョン)』(最大射程36キロ)を配備する可能性が高い。長期的には『天舞』の配備も検討する」と述べた。