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[社説]南シナ海紛争、国際法と国益を考慮して慎重に判断しなければ

[社説]南シナ海紛争、国際法と国益を考慮して慎重に判断しなければ

Posted June. 05, 2015 07:22,   

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米国のラッセル国務次官補(東アジア・太平洋担当)は、南シナ海の領有権問題と関連して、「韓国が声を上げなければならない」と求めた。米国と中国の対立で軍事的衝突が憂慮される懸案をめぐって、米国が韓国に立場表明を公に要求したのは異例のことだ。

ラッセル次官補は、領有権問題の当事者でない韓国が出るべき理由について、「自国の利益のためではなく、普遍的な原則と法治のため」と説明した。国際社会の問題に対して韓国が経済力と国力にふさわしい発言することは当然だという原則論だ。しかし、実際は、同盟である韓国にこれ以上まごまごせずに対中牽制に参加するよう圧力をかけたも同然だ。韓米は昨年、両国の外相・国防相(2+2)会談を行い、南シナ海で海上安保と安全、航海の自由が重要だということで意見が一致した。

中国は、南沙諸島に人工島をつくることを米国が阻止するなら戦争も辞さない構えだ。人工島にはすでに移動式の大砲が配備され、今後ミサイルシステムとレーダーも配備されるという報道もある。この地域の海上覇権を持つ米国は、中国の人工島を国際法と航海の自由に対する深刻な挑戦と見なし、座視しないと警告している。

朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の16日の訪米を控え、米国が韓国に南シナ海の領有権紛争に対する立場を明確にするよう求めてきたのには、韓国と中国の接近に対する憂慮も作用したのだろう。両国は、堅固な韓米同盟で結束しているが、韓国としては輸出依存度が25%にのぼる中国を意識せざるを得ない。韓米がグローバルな問題に対してパートナーシップを発揮して共同対応することは望ましいが、両国の利害が常に一致するとは限らない。米国は、韓国が中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)に加入することに反対したが、米国のAIIB創立反対は外交的な失敗であることが明らかとなった。

南シナ海問題は、韓国の安保と直結した高高度ミサイル防衛(THAAD)体制の導入とは異なる。韓国が国際法と国益を総合的に考慮して慎重な判断を下すほかない。