日本のメディアは、韓日外相会談の実現に向けて李丙鏻(イ・ビョンギ)大統領秘書室長と谷内正太郎国家安全保障局長の「李丙鏻−谷内」ラインが水面下で動いたとみている。
先月初めの韓日首脳会談で、旧日本軍慰安婦問題について、「早期妥結のために協議を加速化する」と合意したにもかかわらず突破口を見出せないと、谷内局長が22、23日、訪韓して李室長に会い、外相会談の成果を引き出したということだ。
李室長は駐日大使時代(2013年4月〜2014年6月)から「安倍首相の外交策士」と呼ばれる谷内局長と懇意にしてきた。李室長が国家情報院長を務めた昨年1月には、国家安全保障局を新たにつくる谷内局長を助けたこともあたった。
「李丙鏻−谷内」ラインはその後、韓日関係が壁にぶつかるたびに突破口を見出すために陰日向なく動いた。谷内局長は昨年10月、公式に訪韓して国家情報院長だった李室長に会い、今年6月には非公式に韓国を訪れ、李室長と慰安婦問題や韓日首脳会談の開催について話し合ったという。
特に、6月22日にソウルと東京で行われた韓日国交正常化50年記念式に両国首脳が参加したのも、2人の役割が大きかったという。
先月2日には、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領と安倍晋三首相の首脳会談に同席し、再び顔を合わせた。李室長が外国首脳との首脳会談に同席するのは異例のことだ。
しかし、首脳会談後に2度開かれた局長級協議で、慰安婦に関する議論が平行線をたどると、「李丙鏻−谷内」ラインが再稼働した。読売新聞は、「12月に入って、李丙鏻−谷内協議が水面下で頻繁に行われた」と報じた。ある程度共感が形成され、谷内局長が訪韓して外相会談を実現させたということだ。
谷内局長は、第1期安倍内閣(2006年9月〜2007年9月)で外務省事務次官を務め、「価値観外交」を設計した。今は、外交安保の全般に莫大な影響力を発揮しており、日中首脳会談など大型のイベントがある時は現地を訪れて事前調整役をするなど、安倍首相の信任を得ている。