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米、「対北朝鮮制裁違反」でシンガポール人所有のタンカー接収

米、「対北朝鮮制裁違反」でシンガポール人所有のタンカー接収

Posted August. 02, 2021 08:36,   

Updated August. 02, 2021 08:36

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米司法省は先月30日、対北朝鮮制裁違反の疑いでシンガポール人の男が所有するタンカーを接収する決定を下した。洋上で物資を積み替える「瀬取り」を行ったタンカーを米政府が接収するのは2隻目。

米司法省は、ニューヨーク南部連邦裁判所が同日、シンガポール国籍のクウェク・キーセン容疑者が所有するタンカー「カレイジャス」を接収することを報道資料を通じて明らかにした。司法省によると、2734トン級のこのタンカーは瀬取りや北朝鮮への石油製品の直接提供に使われた。これに対して司法省は「米国内法と国連安保理決議を違反した」と説明した。

 

カレイジャスは2019年8月から12月、船舶自動識別装置(AIS)を止めて北朝鮮タンカー「セビョル」に少なくとも150万ドル分の石油を渡す様子が衛星写真で捉えられた。カレイジャスが北朝鮮の南浦港(ナムポハン)まで行って停泊しているのも衛星に捉えられた。クウェク容疑者はいくつかのペーパーカンパニーを使って、追跡を避けるためにカレイジャスを他のタンカーのように偽装した。クウェク容疑者には、タンカーや油類購入費用などでマネーロンダリングの容疑もかけられた。対北朝鮮制裁違反とマネーロンダリングの容疑が認められれば、それぞれ最大懲役20年の刑が言い渡される可能性がある。クウェク容疑者は米連邦捜査局(FBI)によって指名手配されているが、まだ逮捕されていない。カレイジャスは昨年3月、カンボジア当局に抑留され、4月に米国の接収令状により抑留状態が続いていた。

米政府は19年にも、北朝鮮の石炭約2万5千トンを不法輸送した疑いで貨物船「ワイズ・オネスト号」を差し押さえ、競売を経て売却した。対北朝鮮制裁を違反した北朝鮮籍船舶を米政府が直接差し押さえて処分した初の処置だった。石炭と石油の瀬取りは、北朝鮮が制裁を無力化して密輸をする代表的なやり方で、国連北朝鮮制裁専門家パネルが毎年報告書で指摘している問題だ。


ワシントン=イ・ジョンウン特派員 lightee@donga.com