Go to contents

「非正規ゼロ」を掲げた文政権5年、結果は史上最多の非正規労働者

「非正規ゼロ」を掲げた文政権5年、結果は史上最多の非正規労働者

Posted October. 28, 2021 08:19,   

Updated October. 28, 2021 08:19

한국어

韓国の非正規労働者が史上初めて800万人を超えたのに対し、正社員の数は1300万人を割り込んだ。正社員と非正規の賃金格差も、関連統計を取り始めて以来、最も大きくなった。2017年5月の就任直後に仁川(インチョン)空港公社を訪れた文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、「任期中に公共部門の非正規ゼロ(0)時代を開く」と約束したが、4年半が過ぎた今、労働市場の二重構造はさらに悪化した。

2016年は648万人だった非正規労働者は、「雇用政府」を打ち出した現政権下で増え続けた。政府は、2019年に統計方式を変更し、期間制労働者が新たに含まれた影響だという。しかし、それだけで昨年より64万人が増えた非正規労働者と、6年間で1200万人台に下がった正社員数についての説明はつかない。先進国の中で最下位水準の労働硬直性のため、解雇が難しくなったうえ、最低賃金まで高騰すると、企業や事業主らが正社員の新規採用を忌避していることを最大の原因とみるすべきだ。政府が莫大な税金をつぎ込んで作った青年雇用も安定性が低く、キャリアにも役立たない非正規に過ぎない。

過激な労働組と正社員の肩を持った現政府の労働政策の被害者は若者だ。40%の20代の非正規の割合は、他の年齢層より高いだけでなく、5年前より7.8%も増加したのだ。正社員の仕事を先に占めた上の世代に遮られ、不安定な雇用を転々としているという意味だ。政府に押されて無理に19万6000人の非正規を正社員に転換した公企業・公共機関が新規採用を減らしたため、良質の雇用に飢えている青年は挫折している。

最近、国会施政演説で文大統領は、「先月の雇用が(新型コロナ)危機前の水準の99.8%まで回復した」と誇った。しかし、輸出企業の業績が改善し、社会的距離確保の緩和で自営業者が店を再び開いても生じる雇用は非正規、超短期アルバイトだけだ。事情がいつまた悪化するか分からず、一度採用すれば最後まで責任を負わなければならない正社員には負担が伴う。

状況を変えるには、政府と政界が強硬労組を説得し、企業の賃金体系を業務能力に合わせた職務・成果給制に転換し、正社員に対する過保護をなくすしかない。労働市場の改革や破格的な規制緩和で採用を増やす環境を整えず、公企業や大手企業の手首をひねれば、良質の雇用が生まれるだろうという期待から、いまや抜け出さなければならない。