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核・ICBM再開を示唆した北朝鮮、水泡になりつつある文政権の平和プロセス

核・ICBM再開を示唆した北朝鮮、水泡になりつつある文政権の平和プロセス

Posted January. 21, 2022 09:02,   

Updated January. 21, 2022 09:02

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北朝鮮が20日、暫定的に中止していた核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)の活動を再稼働する問題を見直すことを示唆した。北朝鮮メディアは、「党政治局会議で、われわれが主導的に取った信頼構築措置を全面的に再考し、暫定的に中止していたすべての活動を再稼働する問題を迅速に検討するよう、該当部門に指示した」と報じた。2018年、シンガポールでの米朝首脳会談を控えて宣言した核実験とICBM発射の中止というレッドラインを破棄する可能性があると警告したのだ。

バイデン米大統領の就任1年に合わせた北朝鮮の行動は、21日未明に予定された国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁協議を狙ったとみえる。北朝鮮が新年に入って極超音速ミサイル連鎖発射の挑発を継続すると、米国は独自の制裁とともに国連次元の制裁まで推進した。バイデン政府の対応によっては、2017年の米朝間の極限対決状況に戻る恐れがあるという警告に相違ない。

 

核実験とICBM実験の中止は、韓半島情勢を対決ではなく対話の局面に転換させ、今の曖昧な長期膠着局面を支えてきた。北朝鮮がこれを破ってしまう場合、韓半島の安保状況は5年前の極度の緊張状態で米朝が「火の海」、「炎と怒り」のような険悪な言葉の爆弾を飛ばした頃に戻ってしまう。17年の6回目の核実験およびICBM「火星(ファソン)15」発射から4年以上が経過しており、暫定的中止を撤回する場合、さらに強力で進展した核・ICBM武力をアピールするという観測も流れている。

北朝鮮がそのような冒険主義的挑発を直ちに実行に移すかは今後を見なければならないが、ひとまず徐々に対米圧迫を強め、米国の反応を見るとみられる。米国は、中国との戦略的覇権競争、ロシアのウクライナ挑発の対応も手に余る状況だ。しかし、この機に乗じた金正恩(キム・ジョンウン)総書記の挑発的行動は、米国の強硬対応を招くことになりかねない。最近、中朝貿易を再開し、北朝鮮を管理してきた中国も、来月4日の北京冬季五輪の開幕を控え、騒ぎを起こす北朝鮮をただ見ていることはできないだろう。

 

現状況で明らかなことは、任期が4ヵ月も残っていない文在寅(ムン・ジェイン)政権の韓半島平和構想は、水泡に帰す運命にあるということだ。現政権内には依然として任期内の終戦宣言への未練を捨てることができないムードが漂っている。今は虚像から脱して現実を冷静に直視する時だ。最悪のシナリオを念頭に置いて、国際社会との協力を通じて北朝鮮問題に接近すること以外に方法はない。