韓米日3ヵ国の国防相が2年7ヵ月ぶりに対面で会談し、ミサイル警報訓練や弾道ミサイルの探知・追跡訓練など対北朝鮮協力を強化することで合意した。北朝鮮は韓国を念頭に2年ぶりに「対敵闘争」という表現を使った。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記は、「強対強、正面勝負の闘争原則」を表明し、ミサイル・核能力の高度化に乗り出す姿勢も明確にした。北朝鮮の7回目の核実験を準備中と指摘される中、韓米日と北朝鮮の対決構図が一層鮮明になり、韓半島をめぐる緊張も一触即発の状況に突き進んでいる。
李鐘燮(イ・ジョンソプ)国防部長官は11日、第19回アジア安全保障会議(シャングリラ会合)が開かれたシンガポールで、オースティン米国防長官、岸信夫防衛相と国防相会談を行い、各国の海上の艦艇で実施するミサイル警報訓練や太平洋付近で行われる弾道ミサイルの探知・追跡訓練を定例化し、公開することで合意した。これまで、これらの訓練は四半期ごとの実施が原則だったが行われないこともあり、2018年に南北および米朝対話基調に転換したことで、訓練を実施しても外部に公開されなかった。3ヵ国は、今後北朝鮮の挑発と方式次第では、共同訓練の範囲も拡大していくことで合意した。
韓米日国防相会談の前に行われた韓米国防相会談では、北朝鮮が7回目の核実験を行った場合、米戦略兵器を迅速に展開するなど拡大抑止に関する共同対応について協議した。さらに、文在寅(ムン・ジェイン)前政権で縮小された韓米合同軍事演習の規模を実機動演習まで含め拡大・実施することでも合意した。
北朝鮮メディアは11日付で、8日から10日まで開催された朝鮮労働党中央委員会総会拡大会議の結論を伝え、「対敵闘争と対外事業部門で堅持する原則と戦略戦術的方向が明言された」と報じた。5ヵ月前の第4回総会では「南北関係」と表現していたが、今回は韓国との関係の言及で「対敵闘争」と表現した。金正恩氏は、「自衛権はまさに国権守護の問題」、「国権を守護することにおいて一寸も譲歩しない」とし、「強対強、正面勝負の闘争原則」を掲げた。北朝鮮は今回、「米国通」の崔善姫(チェ・ソンヒ)第1外務次官を外相に、李善権(リ・ソングォン)外相を対韓政策を統括する党統一戦線部長に任命する人事も行った。李氏は、2018年9月の平壌(ピョンヤン)南北首脳会談で、韓国企業の総帥らに「冷麺がのどを通るのか」と発言して物議を醸した人物。政府消息筋は、「対米、対韓強硬派とされる人物を要職に就けたことは、北朝鮮の対外強硬基調を確認させる」と強調した。
シン・ジンウ記者 シンガポール=シン・ギュジン記者 niceshin@donga.com