高麗時代に一然僧侶(1206~89)が古代の歴史と神話を盛り込んで書いた「三国史」や朝鮮後期の女性たちがハングルで書いた文学作品「内房歌辞」、泰安(テアン)油流出被害克服の記録物など3件が26日、「ユネスコ世界の記憶」(世界記憶遺産)のアジア太平洋地域リストに登録された。
文化財庁と韓国国学振興院は同日、慶尚北道安東(キョンサンプクト、アンドン)で開かれた第9回ユネスコ世界の記憶アジア太平洋地域委員会(MOWCAP)総会で、韓国の記録物3件が新たに登録されたと明らかにした。
世界記録遺産地域リストは、世界5つ(欧州・北米、アジア太平洋、中東、アフリカ、南米・カリブ海)の地域に影響を及ぼした記録物が登録される。今回の登録で韓国の地域リストは韓国の扁額(旧建築物の軒と門の間に字が刻まれた表示板)、「思悼世子追尊万人疏」(儒生らが思悼の身と追尊を求めた上疏)、朝鮮王朝の宮中の懸版まで含めて計6件となった。
三国史は13世紀の民族中心の主体的な歴史観を形成したことを示すと評価される。慶尚北道安東から主に伝わってきた内房歌辞(1796~1969年)は、女性の主体的な活動の結果物として認められた。韓国国学振興院世界記録遺産チームのイ・サンホ・チーム長は、「韓国の歌辞は、ハングルが創製された後、普遍的な文字に発展する過程を見せてくれる」と話した。「泰安油流出被害克服の記録物」(約22万2千件)は2007年12月に忠尚南道で発生した大規模な油流出事故の克服過程を示し、価値が認められた。
これにより韓国は、世界記録遺産地域リスト6件とともに国際リスト16件まで、世界記録遺産を計22件保有することになった。ユネスコ国際諮問委員会(IAC)が選定する世界記録遺産国際リストには、朝鮮王朝実録や訓民正音など16件が登録されている。
チェ・フンジン記者 choigiza@donga.com