1999年にソウルを訪れタクシーに乗りましたが、タクシーの運転手が携帯電話を3台も使っているのが印象深かったのです」
グーグルのサンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は11日(現地時間)、人工知能(AI)のチャットボット「Bard」で英語の次に韓国語と日本語のサービスを先に始める理由について説明し、約20年前のエピソードを切り出した。「新しい技術を受け入れる上で最先端にあると言われるほど、非常にダイナミックで興味深い場所だ」という。日本については、「ある飲食店で、反対側のテーブルに座っていた2人のお客さんが、私が到底ついていけない速度で互いにメールをやりとりした記憶がある」と話した。
ピチャイ氏は同日、米国カリフォルニア州マウンテンビューにあるグーグル本社で、世界のジャーナリストを対象に懇談会を開いた。グーグルは10日、Bardを180あまりの国で全面公開し、英語以外初のサービス言語として韓国語と日本語を選択した。
ピチャイ氏は、「色々な要因があるが、韓国語と英語は非常に異質な言語であり、私たちを(新しい技術に挑戦するよう)刺激し助ける役割をする」とし、「これを通じて、私たちに必要なことが何かを把握でき、他の言語学習がはるかに容易になるようにしてくれる」と話した。
グーグルはマイクロソフトより最近、AI開発に遅れているという指摘に対しては、グーグルが生成型AIの根幹であるトランスフォーマーモデルを開発したことを強調し、自信を示した。ピチャイ氏は、「非常に奥深い技術を扱う時、初期の数ヵ月が未来を左右するという考えには同意しない」とし、「将来の技術がより良い方向に進む方法について私たちは深く悩んでおり、今後もそうするだろう」と付け加えた。
ピチャイ氏は、AIが意図しない結果を招く場合の責任を問う質問に対し、「AIは基盤技術に過ぎないだけに、特定部門においては追加的規制が必要な場合もあるだろう」とし、「開発者やユーザー、各国当局など、すべての利害関係者が共に問題を解決していくことが重要だ」と話した。
ピチャイ氏は、グーグルの今後25年間のビジョンとして、大胆で責任感のあるアプローチを通じて皆に役立つAIを作ることを提示した。ピチャイ氏は、「私たちがAIを研究し始めた理由の一つは、可能な限り多くの人に情報と知識を提供するという使命感だった」とし、「今や長い間考えてきたことを成し遂げることができるまさにその瞬間だ」と話した。
グーグルは同日、三星(サムスン)とのパートナーシップ懇談会を別途開き、拡張現実(XR)分野などの協力プロジェクトを紹介した。グーグル・エンジニアリングプラットフォーム&エコシステムのエリック・ケイ副社長は同日、「三星とグーグルは、長い信頼関係を結んでいる非常に重要なパートナーだ」と強調した。
マウンテンビュー=ナム・ヘジョン記者 namduck2@donga.com