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医学部はもちろん他の理工系にも押された先端学科、韓国に未来はあるか

医学部はもちろん他の理工系にも押された先端学科、韓国に未来はあるか

Posted September. 19, 2023 08:44,   

Updated September. 19, 2023 08:44

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2024学年度の大学入試の随時募集の結果、主要10大学医学部の平均競争率は46倍で、昨年より上昇したものと集計された。最高の競争率を記録した仁荷(インハ)大学医学部の場合、661倍だった。一方、半導体学科をはじめ先端学科の競争率は、主要7大学の平均が16.5倍で、同大学の医学系列を除いた残りの自然系列学科(理科)の平均競争率(19.2倍)より低かった。医学部がブラックホールのように人材を吸い込み、基礎科学と先端分野の人材供給体系が揺れている。

随時募集の医学部への偏好現象は、今年も合格者発表後、医学部に向かって大々的な離脱行列が続くことを知らせる前触れだ。昨年の入試では、「SKY(ソウル大、高麗大、延世大)」大学の定時合格者10人中3人が登録をあきらめた。延世(ヨンセ)大学と漢陽(ハンヤン)大学の半導体関連学科は、1次合格者全員が登録を諦める事態になった。その大半が医学部に詰め掛けたものとみられる。政府が半導体人材の養成を国政課題とし、大々的な支援を発表したにもかかわらず、先端学科がそっぽを向かれる現象が解消されていない。KAISTを含めて国家から支援を受ける5つの科学技術特性化大学で、この5年間で1105人が自主退学したが、彼らも多くが医学部に移動した可能性が高いという。

医学部への嵐による人材育成の不均衡は、国家競争力に悪影響を与えている。政府の試算によると、今後10年間、半導体ディスプレイやバッテリー、バイオなどの先端分野の人材需要は32万人だ。しかし、韓国国内の優秀な人材は海外企業から引き抜かれ、彼らに次ぐ新進人材は先端分野に魅力を感じていない。医学部内でも学科間の偏り現象が深刻だ。大きく成長した製薬会社一つが、国家経済の成長率を2倍に引き上げる世の中だが、医科学にはそっぽを向いたまま、患者を見る臨床だけに集中し、臨床の中でも金になる皮膚科と整形外科のみが志願の対象となる。

政府は医学部の定員を増やせば、医学部への偏好が緩和されるものと期待しているが、むしろより多くの学生が集まる可能性もある。ソウルの最上位圏の大学で博士号を取得し、海外の大学で博士号を取った後、国内大手半導体の研究員として就職しなければ、手取り1億ウォン以上を稼ぐことは難しいという。医者の年収の半分にも満たない。医師は免許を持っているが、理工系は50代前半に引退すれば、さらに途方に暮れることになる。基礎科学と先端分野の人材にふさわしい補償を行い、研究インフラも拡充しなければならない。最高の頭脳がすべて美容医学だけに飛びつく国に何の未来があるのだろうか。