世界が注目するのは「韓流」であって「韓国」ではない
Posted September. 27, 2023 08:23,
Updated September. 27, 2023 08:23
世界が注目するのは「韓流」であって「韓国」ではない.
September. 27, 2023 08:23.
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「最近の韓国文化に対する米国人の関心は、生涯経験したことがなく、予想もしていなかった状況だ」米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)のアジア担当上級副所長で韓国担当責任者のビクター・チャ氏は15日(現地時間)、米ワシントンで筆者らと会い、このように語った。チャ氏は韓半島をめぐる安全保障協力関係と今後の展望について説明した後、「この話は必ずしておきたい」とし、「ソフトパワー」の重要性に触れた。米ジョージタウン大学で国際政治学と韓国学を講義しているチャ氏は、「20年前、初めて韓国学の講義を始めた時、受講生は在米コリアン2世など数十人だけだった。しかし、先学期には受講生が50人ほどに増えたが、アジア系の学生はほとんどいなかった」と話した。チャ氏が最初の授業で韓国学を受講する理由について尋ねると、「北朝鮮の核問題などへの関心のため」と答えた学生は国防分野で働いている1人だけだった。「短期間で民主化と産業化の両方を成し遂げた国について興味があった」と答えた学生も2、3人程度だった。残りはすべて「Kポップのため」という。また、この10年間、米国の大学の外国語受講実態を調査した結果、韓国語だけが唯一60%以上急増したという米現代言語協会の調査結果も紹介した。筆者は最近、韓国言論振興財団の支援で米国を訪問し、チャ氏らと会い、CNN、CBS、公共ラジオNPR、ハフィントンポストなどに所属する記者たちと討論する機会があった。米国の記者たちも、「階層や世代を問わず、韓国文化に対する関心が高い」と口をそろえた。ここだけ聞くと、賛美が溢れている状況だ。しかし、彼らの関心が「韓国」ではなく「韓国文化」にとどまっていることに気付くのにそれほど時間はかからなかった。2030年国際博覧会(万博)の釜山(プサン)誘致の可能性について尋ねると、ある記者は「正直、米国内で万博の問題は全く関心の対象ではない」とし、「最近釜山を訪問して説明を聞いて初めて、韓国が誘致戦に参加したことを知った」と話した。国内で政府や企業が誘致戦に「オールイン」するのとは温度差があった。最近、国内で賛否両論が巻き起こった日本の福島汚染水の海洋放出はどうだろうか。ハワイが選挙区のエド・ケース米民主党下院議員は14日、筆者と会い、「科学的な証拠を確認すると、リスクは最小限だと思う。ハワイにも放流に反対する人がいるが、韓国ほど多くはない」と話した。また、「(韓国)国内政治と絡んでいる部分なので、(反対する)反応があるのも仕方のないことだと思う」と付け加えた。このような反応に接し、韓国人の多くは韓流だけに注目し、韓国に対する客観的な視線には背を向けてきたのではないかと思った。先月、政府はセマングム世界スカウトジャンボリーの運営不備に対する国際社会の批判が高まると、Kポップコンサートを開いて急場をしのいだ。しかし、もはやKポップと韓流のイメージを万能薬と見なし、直面した問題を解決できるという考えは捨てなければならない。韓流への賛辞に酔いしれている間に、韓国という国が忘れられてしまう可能性があるからだ。
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「最近の韓国文化に対する米国人の関心は、生涯経験したことがなく、予想もしていなかった状況だ」
米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)のアジア担当上級副所長で韓国担当責任者のビクター・チャ氏は15日(現地時間)、米ワシントンで筆者らと会い、このように語った。
チャ氏は韓半島をめぐる安全保障協力関係と今後の展望について説明した後、「この話は必ずしておきたい」とし、「ソフトパワー」の重要性に触れた。米ジョージタウン大学で国際政治学と韓国学を講義しているチャ氏は、「20年前、初めて韓国学の講義を始めた時、受講生は在米コリアン2世など数十人だけだった。しかし、先学期には受講生が50人ほどに増えたが、アジア系の学生はほとんどいなかった」と話した。
チャ氏が最初の授業で韓国学を受講する理由について尋ねると、「北朝鮮の核問題などへの関心のため」と答えた学生は国防分野で働いている1人だけだった。「短期間で民主化と産業化の両方を成し遂げた国について興味があった」と答えた学生も2、3人程度だった。残りはすべて「Kポップのため」という。また、この10年間、米国の大学の外国語受講実態を調査した結果、韓国語だけが唯一60%以上急増したという米現代言語協会の調査結果も紹介した。
筆者は最近、韓国言論振興財団の支援で米国を訪問し、チャ氏らと会い、CNN、CBS、公共ラジオNPR、ハフィントンポストなどに所属する記者たちと討論する機会があった。米国の記者たちも、「階層や世代を問わず、韓国文化に対する関心が高い」と口をそろえた。ここだけ聞くと、賛美が溢れている状況だ。
しかし、彼らの関心が「韓国」ではなく「韓国文化」にとどまっていることに気付くのにそれほど時間はかからなかった。2030年国際博覧会(万博)の釜山(プサン)誘致の可能性について尋ねると、ある記者は「正直、米国内で万博の問題は全く関心の対象ではない」とし、「最近釜山を訪問して説明を聞いて初めて、韓国が誘致戦に参加したことを知った」と話した。国内で政府や企業が誘致戦に「オールイン」するのとは温度差があった。
最近、国内で賛否両論が巻き起こった日本の福島汚染水の海洋放出はどうだろうか。ハワイが選挙区のエド・ケース米民主党下院議員は14日、筆者と会い、「科学的な証拠を確認すると、リスクは最小限だと思う。ハワイにも放流に反対する人がいるが、韓国ほど多くはない」と話した。また、「(韓国)国内政治と絡んでいる部分なので、(反対する)反応があるのも仕方のないことだと思う」と付け加えた。
このような反応に接し、韓国人の多くは韓流だけに注目し、韓国に対する客観的な視線には背を向けてきたのではないかと思った。先月、政府はセマングム世界スカウトジャンボリーの運営不備に対する国際社会の批判が高まると、Kポップコンサートを開いて急場をしのいだ。しかし、もはやKポップと韓流のイメージを万能薬と見なし、直面した問題を解決できるという考えは捨てなければならない。韓流への賛辞に酔いしれている間に、韓国という国が忘れられてしまう可能性があるからだ。
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