「学ぼうとする気持ちさえあれば、高齢に対する恐怖も克服できると思うので、挑戦してみてください」
高校卒業を控えた生徒が8日、東亜(トンア)日報の記者との電話インタビューで話した言葉だ。「高校卒業など大したことではない」と思うかもしれないが、彼の人生を振り返ってみると、うなずける。韓国戦争(1950~53)の時、学びの道を諦め、90歳で1時間半ほどかかる通学路を1日も欠かさずこなし、21日に卒業を控えたキム・ウンソンさん(90)の言葉だからだ。キムさんは、「初めてこの旅程を始めた時は、限りなく遠くて長く感じられたが、過ぎてみれば、あっという間だった」と、心寂しい気持ちを表わした。
京畿道坡州市(キョンギド・パジュシ)に住んでいたキムさんは、日本による植民地時代に小学校に通ったが、1951年に避難して学業を中断した。その後、寺子屋に通ったこともあるが、長くは続かなかった。そんなキムさんが、高陽市(コヤンシ)の学歴認定の高陽ソンアム高校に通い始めたのは2022年からだ。同校は、成人も2年間6学期を終えれば、高校の学歴が認められる生涯教育施設だ。
入学したきっかけは、息子の強い勧めのためだったが、キムさんは、約70年ぶりに再び始めた「学び」に、すぐ興味を持った。キムさんが一番好きな科目は英語だ。キムさんは、「世の中の人々が皆使う英語を、私も素敵にできるならば、とても楽しいのではないかという気がした」とし、「知識が整えば、外国に一度行ってみようかと思ったりもする」と話した。同級生のおばあさんたちの間では、「若いお兄さん」と呼ばれている。キムさんは、「10代や20代の若者から60代や70代のおばあさんまでが親しく過ごし、学校生活がとても楽しかった」と話した。高陽ソンアム高校側は、「キムさんは卒業式を終えれば、韓国最高齢の卒業生になると聞いている」と話した。
ソン・ジュンヨン記者 チェ・フンジン記者 hand@donga.com