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寄付金ベースの映画無料観覧「ペイ・イット・フォワード」、「サウンド・オブ・フリーダム」で韓国で初披露

寄付金ベースの映画無料観覧「ペイ・イット・フォワード」、「サウンド・オブ・フリーダム」で韓国で初披露

Posted February. 14, 2024 08:47,   

Updated February. 14, 2024 08:47

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他人が寄付したお金で映画を無料で観覧する「ペイ・イット・フォワード(Pay It Forward)」のモデルが、韓国で初めて披露され、注目を集めている。このモデルを適用した映画は、21日に公開する「サウンド・オブ・フリーダム」で、子供の人身売買の実話を基にした作品だ。公開前の特別上映会の2回目の座席販売率が90%を超え、良い反応を引き出している。パンデミック後、劇場がなかなか蘇らないため、観客をどうにかして映画館に戻らせようとする試みの一つだ。

子供の性犯罪組織を追跡する米国土安全省所属の職員ティム(ジム・カヴィーゼル)の話を盛り込んだ「サウンド・オブ・フリーダム」は、昨年7月に北米で公開後、制作費比1700%の収益を上げ興行に成功した。

興行の中心には、「ペイイットフォワード」の制度があった。映画の趣旨に共感する人たちが、プラットフォームを通じて寄付すれば、集まった寄付金を利用して誰もが無料で映画のチケットを購入できるシステムだ。欠食児童に食事をプレゼントする寄付プログラムと似ている。問題意識を共有できる重い作品に、リレーで観覧と寄付が続く好循環構造だ。このプログラムを通じて、現在、世界中の55ヵ国で3060万枚のチケットが前売された。

このような興行を受け、韓国配給会社NEWがCGVと手を組んで、映画の国内公開にも「リレーチケットの無料上映会」という名のプログラムを導入した。クーポンを発行してもらい、チケットを予約する形だ。正式公開前に初上映会のあった7日、ソウル龍山区(ヨンサング)のCGV龍山アイパークモールとソウル城東区(ソンドング)のCGV往十里(ワンシムリ)の2ヵ所とも、座席販売率90%を超え、14日、ソウル九老区(クログ)のシネQ新道林(シンドリム)で開かれる上映会のチケットもほとんど売り切れとなった。

これに先立って、7日公開した映画「ドッグデイズ」も、CGVと共に「捨て犬寄付上映会」を開いている。上映会を通じて稼いだ収益の一部を、動物自由連帯の遺棄動物センターに寄付する。CGV龍山アイパークモール4館の壁面には、捨て犬の写真展と多様な捨て犬の事情に出会える「#共に生きよう」というタイトルの展示会が開かれている。

映画と寄付を結びつける試みは、観客を一人でも多く劇場に戻そうとする努力の一環だ。映画振興委員会によると、昨年、映画館を訪れた全体観客数は1億2514万人で、パンデミック前の平均年間観客数(2億2098万人)の56.6%に止まっている。配給会社NEW側は、「『ペイイットフォワード』のような新しいシステムは、劇場での観覧意志のあるすべての観客に対して幅広く開かれている。このような試みを機に、さらに多くの観客が映画を観覧する好循環の環境が用意されることを期待する」と話した。


崔智善 aurinko@donga.com