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出国4日前にドイツ・デンマーク訪問を延期、これでもいいのか

出国4日前にドイツ・デンマーク訪問を延期、これでもいいのか

Posted February. 15, 2024 08:36,   

Updated February. 15, 2024 08:36

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尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が18~24日、5泊7日の日程でドイツとデンマークを訪問し、両国の首相と会談する日程を延期した。大統領室は14日、「来週に予定していた大統領のドイツ-デンマークの訪問を延期する」と明らかにした。延期の理由としては、「様々な要因を検討した」とだけ述べた。過去にも出国間際に首脳会談を延期することが全くなかったわけではないが、中東呼吸器症候群(MERS)など緊急の懸案があった。国民の前で理由すら説明しないのは前例がない。

政府は、ドイツ国賓訪問とデンマーク公式訪問のために数ヵ月間準備してきた。両国に延期要請の理由をどのように説明したのかは分からないが、13日に通知したという。大統領室は「相手国が了解した」と言うが、外交的な欠礼と言わざるを得ない。しかも、今回の訪問は、昨年12月、大統領夫妻がオランダ1ヵ国だけを国賓訪問したことを考えると「欧州訪問が多すぎる」という批判を生んだ。隣接するオランダとドイツ、デンマークの3ヵ国を一度に歴訪することができたにもかかわらず、2ヵ月間隔で2回訪問する動線が生み出した裏の話を大統領室も把握していたはずだ。

さらに大きな問題は、延期した理由を公式に説明しないことだ。日程の短縮程度ではなく、全面的な延期であるにもかかわらず、公式ブリーフィングから外された。「総選挙争点の遮断」という与党一部の説明通りなら、金建希(キム・ゴンヒ)夫人を想起する人がいるだろう。金氏は、昨年12月、高級ブランドのバッグ授受論議の中で行われたオランダ国賓訪問以降、2ヵ月近く姿を現していない。金氏がドイツとデンマークに同行する時は華やかな欧州風の儀典行事が、同行しない時はその「空席」が物議を呼ぶ可能性がある。総選挙の局面での民心と票心の管理のためだと言うが、国益外交に支障を来たしたことは避けられない事実だ。

今回の訪問延期は、卑近な例ではKBSの録画対談の失敗に、根本的には金氏の動向と処遇問題を特別監察官、民情首席室、第2付属室を通じて制度的に管理するシステムの構築の失敗にある。新年記者会見を見送った大統領は、KBSの対談で適切な謝罪や遺憾の意を表明しなかった。その時に民心を和らげておけば、訪問延期を決定しなかったかもしれない。首脳外交に配偶者が同行する国際慣行を国民が知らないはずがない。結局、大統領と参謀たちの度重なる民心読みの失敗が、今回の外交的欠礼を生んだのではないだろうか。