朴賛郁(パク・チャンウク)監督が共同ショーランナー(show runner)として制作・脚本・演出の全過程を指揮した米国HBOドラマ「シンパサイザー」が15日、クッパンプレイを通じて韓国で公開された。ピューリッツァー賞を受賞したヴィエット・タイン・グエン氏の同名小説を朴氏が直接脚色した。朴氏が「別れる決心」(2022年)でカンヌ映画祭監督賞を受賞した後、初めて発表した作品であり、朴氏の2番目のシリーズ作品だ。
「シンパサイザー」は、ベトナム戦争が終結に向かっていた1975年から始まる。主人公は南ベトナムの将軍に仕える大尉(ホア・ションデイ)。しかし、彼のアイデンティティはもっと複雑に絡み合っている。フランス人の父親とベトナム人の母親の間に生まれた彼は、「雑種犬」と蔑まれて生きる。北ベトナム出身の彼は、幼い頃、南に渡った際に米中央情報局(CIA)エージェントの目に留まり、情報工作員の仕事を始める。そうして米国で勉強することになり、心には米国への憧れと憎しみが入り混じる。その後、ベトナムに戻った彼は、南ベトナムの将軍に仕え、北ベトナムに情報を提供する二重スパイとして活躍する。
15日に公開された第1話は、大尉が二重スパイをしながらサイゴン陥落直前に米国行きの輸送機に乗り込む劇的な過程を描いた。
朴氏は、「原作小説『シンパサイザー』を初めて読んだ時、花火を見るようだった。表現と文体がとてもカラフルで騒がしいという印象を受けた」とし、「第1話で主人公が南ベトナムを脱出しようとする時、滑走路が爆撃と炎に包まれるシーンがそのような感じでインスピレーションを受けた」と話した。原作者のグエン氏は、「『シンパサイザー』を執筆する際、朴氏の映画『オールドボーイ』をイメージして書いた。朴氏は私の小説を完璧にドラマ化する適任者だ」と語った。
第1話では、朴氏ならではの演出方法が際立った。色彩とミジャンセンを重視する朴氏の作品らしく、ドラマはベトナムを連想させる赤、黄色の色彩が染み込んでいる。南ベトナムが滅び、主人公が逃走するシビアな状況でも、朴氏のブラックコメディ的な要素が盛り込まれている。
この作品で1人4役を演じ話題となった俳優ロバート・ダウニー・ジュニアは、第1話で老齢のCIA捜査官クロードを演じた。「シンパサイザー」は全7話で、毎週月曜日に1話ずつ公開される。
崔智善 aurinko@donga.com