朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が通報した離散家族交換訪問の候補者中、大部分が北朝鮮へ越北者(自主的に北側に行ったもの)であることが明らかになり、これまで韓国社会で就業制限などの不利益をこうむってきたその家族は、「やっと`賦役者家族`の枷を脱げられるかも知れない」と喜んでいる。
北朝鮮へ越北した家族は、80年10月の8次改憲での連座制がなくなるまで、公職への進出が制限され、定期的に公安機関の監視を受けるなど、日常生活で様々な制約をうけてきたのである。このような法的制限だけでなく、社会からの冷たい視線で常に目には見えない「枷」をかけられ、連座制が廃止されてからも堂々と家族のことを話せなかったのである。
そのため、家族は今回離散家族のリストの発浮ナ世間の認識が変わることを期待しながらも、直ちに身元を明かすことにはためらいを感じている。
リストに65才の弟が入っている70才のHさんは、17日記者との電話通話で「親、兄弟みんな亡くなり、私だけ残っているのに大げさにしたくない」としてインタービューを拒否した。父がリストにあった54才のイさんも、「故郷(慶尚道)で、朝鮮戦争の避難により、消息がきれたため、父が亡くなったと思っていたが、今回生存していることがわかり、うれしいが身元を明かしたくはない」と口をつぐんだ。