アメリカに住んでいる朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)出身の中には、既に10年前から北朝鮮を訪問し、家族と対面した者が多い。アメリカ国籍をもっている市民権者は韓国の国家保安法が適用されないので、北朝鮮への訪問に何の制約も受けないからである。北朝鮮は、80年代後半から米国内の失郷民を対象に離散家族に会うための訪問を認めてきた。
最初は、ロサンゼルス・ニューヨークなどの北寄りの人物や団体を中心にいくつかの北朝鮮訪問の窓口があったが、数年前から北朝鮮の要求により、在米同胞全国連合(会長・ハム・ソングック牧師)という団体へと窓口が一元化された。この団体は、北朝鮮訪問を希望する人から申請書類を受付、国連駐在の北朝鮮代表部を通して北朝鮮訪問ビザを一括的にもらう仕事を担当している。
この団体のジュ・ナムフン(朱南勲、58才)ワシントン支部長は、17日「北朝鮮で離散家族との再会を担う海外同胞援護委員会側によると、80年代から去年まで家族に会うため、北朝鮮を訪問する在米韓国人が延べ6000人に達すると聞いている」と述べた。
しかし、在米韓国大使館の関係者はこの日、「南北関係が進展し、北朝鮮訪問の条件が比較的に良かった90年代はじめ、数千人の在米韓国人が北朝鮮を訪問したのは事実である」と話した。
北朝鮮訪問の費用は、90年代はじめまでは、宿泊費、交通費などをあわせ、300〜600ドルほどだったが、最近はすべての費用を実費で受けているというのが北朝鮮を訪問した人たちの話である。しかし、経済的に厳しい北朝鮮の家族に会うと、ある程度お金を渡さなければならないので、実際は一回の訪問に1万ドル(およそ1,100万ウォン)ぐらいはかかるということだ。