3,500,000,000,000ウォン。
数えることさえ難しい巨額だ。政府が第一(チェイル)銀行を買収したニューブリッジ・キャピタルに追加的に投入することになった金額である。手に負えない不良債権の塊になった第一銀行を再生させるために、これまで政府が投入した金額は12兆ウォン台にも上る。一年の落Zは100兆ウォンを越えない訳だから、落Zの10%を上回る大金が一介の金融機関に投入されたことになる。曲がりなりにも外国の金融機関に売却され、肩の荷が下りたかと思ったら、再び資金を投入せざるを得なくなったとは残念でならない。
だが仕方がない。そのことが契約書に明示されているためだ。政府は1999年に第一銀行を売却する際、今後2年間発生する不良信用供与はすべて買い戻すと約束した。その際、政府の持株51%を渡した代価として受け取ったのは5000億ウォン。金融業界からは「ニューブリッジは楽な商売をすることになった」と皮肉る声が聞こえ、安売り論争が顕著になった。
問題は今回だけでは終わらないということだ。契約書によると、来年末と2002年末にもう二回不良信用供与に対する分類作業が実施される。第一銀行側の判断如何によっては、 再び国民の懐が狙われる事態も生じかねない。今後さらに数兆ウォンを投入しなければならないという分析さえある。民間研究所の調査ではあるが、注目に値する。
第一銀行の新しい経営陣に対し、信用供与管理に本当に最善を尽くしたのか、もしかすると「不良信用供与が生じたら政府が責任を取る」というモラルハザード(倫理感の欠如)に陥り、いい加減に仕事を処理したのではないかという疑念を晴らすことができない。預金保険公社が要求額を支払う前に、第一銀行の信用供与分類を点検するとしているが、実効性は未知数だ。第一銀行の事例は、国内企業を海外に売却する際、売却条件や方法などについて、必ず精巧な戦略が必要だという教訓を与えた。その代償は非常に大きいものになった。