人体に致命的な鉛(Pb)が入っている中国産の輸入冷凍渡りガニが市中に流通され、検察が捜査を始めた。インチョン(仁川)地方検察庁の特捜部は、21日渡りガニ輸入業者であるヤン容疑者(43才・忠南タンジン郡)を食品衛生法違反の疑いで逮捕した。
検察によると、ヤン容疑者は6月1日、鉛の入っている渡りガニ13トン(2億7千万ウォン相当)を、仁川所在のW水産を通じて仁川港に輸入、流通した疑いがあるということである。検察は、同容疑者が輸入した渡りガニ一箱に75〜100グラムくらいの鉛の入っている渡りガニが2、3尾入っていたとして、冷凍渡りガニの重量を増やすためにその中に故意で鉛を多量入れた模様だと話した。
容疑者はこれについて、渡りガニの足に鉛が入っていたことは後でわかったとして、だれがこの中に鉛を入れたのか知らないと、頑なに疑いを否定しているという。
検察は、仁川地域の渡りガニ販売業者が4月から中国から輸入した冷凍渡りガニの甲と足に1〜4センチほどの鉛が大量入っていたと主張していることから、ほかのカニ輸入業者へ捜査を拡大している。
一方、国立水産検疫所の仁川支所は、冷凍ガニの中に鉛が入っていたことを検察から知らされ、対策をたてている。
水産検疫所のムン・チョルスゥ所長(50才)は、箱単位で梱包し輸入されている渡りガニは検疫所を通過するとき、肉眼による検疫だけをしているため、鉛が入っていたことは知らなかったと話し、今後金属探知機を設置する計画だと解明した。
4月から6月末まで仁川港を通じて輸入された冷凍渡りガニは1137トンであり、このうち700トン余りがすでに市中に流通されたということである。のこりはチュソック(韓国のお盆)を前後して流通される予定だった。
インハ大学医科大の産業医学科のイ・チョルホ(李哲浩)教授は、鉛は重金属の中でもっとも毒性が強く、一度体内に吸収されれば排泄されず、体の中に積もり、神経障害など致命的な症状を引き起こす可能性があると述べ、調理する過程で発生する鉛の蒸気を吸入する場合、人体への吸収率が高く非常に危険であると話した。