大韓弁協(会長:キム・チャングク(金昌國)・大韓弁護士協会)は日曜日に発刊した「人権報告書」の中で、国民の政府スタート2年目である1999年の1年間、韓国の人権状況は「極めて失望的なレベル」と批判した。
国内の人権状況を8つの分野別にまとめたこの報告書では、「人権法制定や国家人権機構の設置、国家保安法と保護監察法の撤廃など、重要な懸案において進展が見られない。 またIMF(国際通貨基金)管理体制のあおりで、労働や社会保障、環境、女性など各分野に渡って暮らしの質が低下した」と指摘している。
大韓弁協のキム・ソンシュ(金善洙)弁護士は、「20世紀の遺物である国家保安法と保護監察法が撤廃されなかったのは、何よりも深刻な問題だ。 この両制度が存在する限り、政府の人権伸長のためのいかなる努力も、意味を失ってしまう」と主張した。
大韓弁協はまた、「大勢の政治犯に対する特別恩赦があったが、これはキム・ヒョンチョル(金賢哲)を始めとする権力型不正事件で囚人になった人たちを釈放するための手段に成り果ててしまった感がある」と主張するほか、「生命の自由に真っ向から違反する死刑制度を段階的に廃止すべき」とも建議した。
しかし大韓弁協は、疑問死と濟州4・3事件の真相を究明するための特別法の制定、服飾ロビー疑惑事件などを究明するための特別検査制度の導入、教員労組の合法化、 低所得層のための国民基礎生活保障法の制定などに対しては、注目すべき措置であったと評価した。
大韓弁協は1986年から毎年、前年の人権状況を分析してまとめた「人権報告書」を発刊している。