去年、‘抗命’を理由に免職された大邱(テグ)最高検察庁の前検察庁長である沈在淪(シム・ジェリュン)氏が、国家を相手にした訴訟控訴審で勝利を手にした。この判決が最高裁判所でそのまま確定した場合、沈氏は復職することができるようになる。
ソウル最高裁判所の特別6部(裁判長:安聖会(アン・ソンヒ)部長判事)は22日、沈氏を免職したことは裁量権を乱用した違法行為であり、国会は免職処分を取り消すようにという判決を下ろした。今回の判決は、免職処分自体は違法だが、検察組織の安定のために復職は認めることができないという1審の判決を裏返したもの。
裁判部は判決文で、当時、沈氏が李宗基(イ・ジョンギ)弁護士との対質調査のために最高検察庁に出頭するようにという検察総長の命令に従わず、声明書の発表のために勤務地を離脱したこと、公開的に首脳部を批判したことなどは、懲戒理由として認めることができるという前提を置いた。
しかし、李弁護士から餞別金などを受取ったというような物証もない根拠をもとに、不名誉な辞職を要求されたことによって、これまで積み重ねてきた検事としての名誉が危うい状態になったという点、現在まで検事として社会に貢献してきた点などを考えると、懲戒免職処分は不当だと説明した。
特に、当時発表した声明書では、国民が輿望する法曹人の姿勢や、それに答えることのできなかった過去の事例に対する反省など、肯定的な内容も含まれていたというのが裁判部の判断。
沈氏の復職に伴う検察組織の問題に関して裁判部は、検察が聡明に判断しなければならない事項であり、司法部が間違った免職処分を取り消さない程の大問題ではないとしながら、1審判決の間違いを指摘した。
沈氏はこの日、間違った検察の現実と首脳部の在り方について批判し、免職処分を下ろしたことは誰が見ても間違ったことであるとし、これを認めた司法部の勇気ある判断に感謝すると話した。また、今後の身の振り方に関しては、確定判決が下ろされた後、ゆっくりと考えるつもりだと話している。
一方、法務省側は、即時、最高裁判所に上告するとしている。