待ってろよ!金メダル
男子テコンドー無敵の新鋭、シン・ジュンシク選手(20・キョンフィ大)には恐いものなしだ。敗北の苦しみから這い上がり、強気の姿勢やその意気込み、どれほどの強敵が現れても気後れすることはない。
4月10日に開かれたシドニーオリンピックテコンドー国家代表選抜、男子68キロ級最終戦。シン・ジュンシク選手が太極マーク(韓国国旗)を獲得すると、テコンドーの関係者はもちろんのこと、スポーツ界の関係者らも驚きを隠せなかった。99年の世界選手権チャンピオンであるノ・ヒョング選手(韓国体育大)か、95年に同大会準優勝のキム・ピョンウク選手( )のどちらかが代表に選ばれると予想されていたからだ。
1メートル73センチの多少小柄な体格。顔つきにはまだ子どもっぽさが残り、テコンドーの最高手には見えない。しかしマットの上では獰猛な虎のように相手を制圧する。ゴムのように弾力に富んだ多様な技、卓越した瞬発力、電光石火の足さばき。そこにパワーが加わればオリンピック金メダル獲得への不安は全く無いと評される。
シン・ジュンシク選手は痛みを経験するほどに成熟するテコンドー戦士だ。プンセン在学中の97年(3学年)、国家代表に抜擢され大きな関心を呼んだ期待の星だった。しかしその年カイロで開催されたワールドカップでは、1回戦で虚しい敗北を経験。しばらくの間舞台の裏側で痛みを感じようと努力してきた。
しかしその日の敗北が薬となったのだ。井の中の蛙だったという事を心に深く刻み、訓練にまい進できるひとつのきっかけとなり、2年後には続けて国家代表選抜戦で優勝、再び表舞台に躍り出た。そしてシドニー行きの切符を掴み取り、看板スターの座を得た。
チェ・ジョンド代表チーム監督は、シン・ジュンシク選手に国際大会経験がないことを弱点として指摘しているが、それを全く感じさせず、猪のようにしっかりとしがみつく攻撃的なプレイがかえって金メダルへの可能性を高めていると話している。