最近マスコミに映った現役与党(民主党)議員のパク・サンヒ(朴相熙)中小企業協同組合中央会長の姿は我々を当惑させるものだ。
彼が所有しているミジュ・グループが、国民の税金で立て直し作業中であり、倒産の危機に至っている不振企業であるにも関わらず、パク会長は経済5団体長の一員として堂々と政財界懇談会に参加、陳念(ジン・ニョム)財政経済省長官の隣に座り、政策建議をするという姿を見せた。そしてその翌日、彼は本人所有の土地をワークアウト中であるミジュ実業に高値で売却したという事実が明らかになるや、金融監督委員会から国税庁に税務調査の依頼を受けた堕落した企業主としてマスコミに再び登場した。
本人は、ワークアウト以前に発生したことだと主張しているが、彼が見せた最近の行動を考えると、どれだけ信頼性のある主張なのかは疑問である。金融監督委員会がその程度の確認もせずに発表するほど疎かな機関であるのならば、それは政府の権威とも直結する問題だ。
我々はこの事件を、ある一個人の道徳的な緩み程度に見てはならない。彼が所属している民主党、さらに具体的には彼を全国区議員として公選した与権の首脳部が道徳的弛緩状態に陥っているという点を指摘せざるをえない。
パク会長は総選挙の直前、彼が会長をしている中小企業共同組合の傘下団体長300名あまりを率いて民主党に合流した功績により、全国区議員職をもらった。その時、マスコミが民主党とパク会長の不道徳性を指摘するや、彼は近日中に会長職の辞退意思を公式に明らかにすると約束しておきながら、国会議員になった後に、今日までこれを守らずにいる。
民主党に対しさらに失望したことは、彼を政務委員会に採用した点だ。政務委は、金監委を監督・監査する常任委員会であり、金監委はまさに、パク会長所有のミジュ・グループなどワークアウト企業を監督する機関である。民主党がそれを知らずにそのようにしたならば、無能な処置であり、知ってながらも彼をその職につけたのならば、それはこの政党の道徳性と改革意志がどの水準にあるのかを克明に現わす事例である。
実際に今回の調査過程で金監委の関係者たちは、パク会長側から受けた多角的圧力のために精神的に安定できないほどであったという。金監委がマスコミに発表した際、ミジュ・グループの名前を具体的に明記しないようにとばたばたし、出入り記者との衝突を招いたこともやはり、現役国会議員であるパク会長の存在と無関係であるかは疑問である。
政府が真剣に政権後半期の改革に拍車をかけるというのであれば、ミジュ・グループに対する税務調査を厳しく迅速に進めなければならない。また民主党が公党として最小限の自尊心でも守るというのであれば、直ちに彼が中企協会長職から退くようにし、常任委も変えなければならないだろう。