金大中(キム・デジュン)大統領の国連ミレニアム首脳会議出席の目的は大きく分けて3つだ。
第一に,南北首脳会談以後の南北関係進展に対する国際社会の支持を確保することだ。コフィ−・アナン国連事務総長の提案により開催される今回の会議には,実に163カ国の首脳が出席する.単一の国際行事にこれほど多くの首脳が集まることは史上初めてのことだ。
ビル・クリントン米大統領,江澤民中国国家主席,ウラジミ−ル・プ−チンロシア大統領,森喜朗日本総理など主要国首脳が順に演説し,26項目の共同宣言を採沢する。金大統領としては朝鮮半島の平和と和解というメッセ−ジを全世界に知らせる絶好の機会となる。
特にニュ−ヨ−ク到着直後に行われる金永南(キム・ヨンナム)北朝鮮最高人民会議常任委員長との晩餐会は意味深い会談になるものと思われる。国際舞台で初めて行われる南北最高位級人士の会合は世界の注目を集める出来事であるばかりでなく,南北朝鮮間の和解協力の意志と氣流を国際社会に宣言する機会となるためだ。
金大統領はその効果を最大限に生かすために米国の韓米親善団体であるコリアソサイエティが主催する晩餐会で演説し,韓米関係の発展に寄与した人士に授与するベンプリ−ト賞をジミ−・カ−タ−元大統領に直接授与する。また米国学会の朝鮮半島問題專門家17人を招き晩餐をともにする。
ちょうど外交は開会式で採沢される国連総会共同議長(フィンランド,ナミビア両大統領)宣言文に南北首脳会談を支持する内容を盛りこむ方案を推進し,成功させることで雰囲気は一層高まるものと思われる。
その延長線上で,米国,中国,ロシア各首脳との会談では朝鮮半島に平和と安定を定着させるために4者会談の可能性も打診するものと予想される。森日本総理とは22日に予定されている日本訪問の際に別に会談する。
第二に,金大統領は今回の会議出席をきっかけに,メヒャンリ射撃場問題と韓米行政協定(SOFA)改正などを巡り葛藤が続く韓米関係を点検し,友好を確認する機会として活用する計画だ。朝鮮戦争参戦米軍勇士との懇談会もこれらの意図によるものだ。
第三に,金大統領は韓国の特権的な経済改革の意志を国際社会に再び明らかにするすることで韓国の国家信認度を高め,米財界との協力基盤も強化する考えだ.金大統領が滯在中にニュ−ヨ−ク證券取引所理事長,ニュ−ヨ−ク連邦準備銀行総裁,ゴ−ルドマンサックスグル−プ会長ら米経済界主要人士と会談し,いわゆるセ−ルス外交を繰り広げるのも同じ脈絡からだ。